在宅医療体制で思うこと 点と線

在宅医療体制というもののお世話になっていて感じるコトがあります。

以前は、通院によって治療を受けていました。ですから、それぞれの違いが際立ってきました。

そんな時に、「ぼくたちが選べなかったことを選びなおすために(幡野広志 著)」を読む機会があり、次の一文に共感しました。

『医者は、患者のことを「点」でしかケアできない。病院に入る前のことを知るはずもないし、病院から出たあとのことも関係がない。でも、家族は「線」でつながっているんです。病気になるまでの関係もあるし、病気になったあとの関係も続く、ぜんぶ一本でつながっているんです。…線のつらさは、当事者以外の誰もわかってくれない。(「ぼくたちが選べなかったことを選びなおすために(幡野広志 著)」p133より)』

確かに、通院していた時には、必要に応じてケアはしてもらっていたのですが、その間に起こったことを伝えようにも限界があり、それは、努力して伝えようとしたけれど、結果的には断片に過ぎませんでした。

在宅医療体制になって、大きい要素は、24時間365日体制で、いつでも相談ができるという安心感があることです。

今までと違う状況がでてくれば、相談して必要ならば往診をしてもらうことができるので、今まで、断片的だった物が、少し線になりつつあるように感じていたときに、上記の文章を読みました。

「点」と「線」の違いは、確かに、患者にとっても家族にとっても、心配を共有できるという安心感につながる要素のように感じています。

この「線」は人生そのものなので、それを理解できるのは、当事者だけなのでしょうね。

しかし、そばに寄り添う人が、何かを共有している安心感は、多少の慰めになるのかも知れませんね。

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Posted by dblacks