祈りと沈黙 Ⅰ列王 19:12

『9 彼はそこにある洞穴に入り、そこで一夜を過ごした。すると、【主】のことばが彼にあった。主は「エリヤよ、ここで何をしているのか」と言われた。10 エリヤは答えた。「私は万軍の神、【主】に熱心に仕えました。しかし、イスラエルの子らはあなたとの契約を捨て、あなたの祭壇を壊し、あなたの預言者たちを剣で殺しました。ただ私だけが残りましたが、彼らは私のいのちを取ろうと狙っています。」11 主は言われた。「外に出て、山の上で【主】の前に立て。」するとそのとき、【主】が通り過ぎた。【主】の前で激しい大風が山々を裂き、岩々を砕いた。しかし、風の中に【主】はおられなかった。風の後に地震が起こったが、地震の中にも【主】はおられなかった。12 地震の後に火があったが、火の中にも【主】はおられなかった。しかし火の後に、かすかな細い声があった。13 エリヤはこれを聞くと、すぐに外套で顔をおおい、外に出て洞穴の入り口に立った。すると声がして、こう言った。「エリヤよ、ここで何をしているのか。」14 エリヤは答えた。「私は万軍の神、【主】に熱心に仕えました。しかし、イスラエルの子らはあなたとの契約を捨て、あなたの祭壇を壊し、あなたの預言者たちを剣で殺しました。ただ私だけが残りましたが、彼らは私のいのちを取ろうと狙っています。」(Ⅰ列王 19:9-14新改訳2017)』

預言者のエリヤは、異教バアル崇拝者たちと戦い勝利を得た後、この洞穴に逃げ込みました。

それは、アハブ王の恐妻イゼベルにいのちを狙われた恐怖からでした。

その迫力は、凄まじく、エリヤは「もう死んでもいい」と思うほどでした。

預言者という役割は、【主】と権力者の間で命がけです。

バアルの預言者450人、アシェラの預言者400人との勝負は、迫力満点だったでしょう。

この勝負で、創造主である神【主】が唯一の神であることを示されて、大勝利を得たのです。

その結果は、「痛快」そのものです。

しかし、大勝利の余韻は、長く続かなかったのです。

ここでも、「エリヤよ、ここで何をしているのか」と【主】の呼びかけがあったのですが、【主】の存在を感じることができませんでした。

それが、ますますエリヤを心細くさせます。

再び細い声で【主】の存在を感じたときに「…ただ私だけが残りましたが、彼らは私のいのちを取ろうと狙っています。」と心配を打ち明けました。

【主】の応答は、「…わたしはイスラエルの中に7千人を残している。これらの者はみな、バアルに膝をかがめず、バアルに口づけしなかった(Ⅰ列王 19:18)」でした。

エリヤは、「私だけ…」だと孤立無援を訴えましたが、現実は「イスラエルの中に7千人を残している」というものでした。

信仰者は、自分は孤立無援だと感じて自己憐憫に苛まれるときもありますが、実際には【主】の前には、多くの信仰者が集っていることをイメージしながら、歩んでいきたいですね。

また、【主】は「細い声」で語られますから、聴く耳をもって、静止の時を大切にする習慣を続けたいと考えています。

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Posted by dblacks