アジヤ地方(現トルコ領)にあった教会への書簡 ヨハネの黙示録2:1-3:22

『2:1 エペソにある教会の御使いに書き送れ。『右手に七つの星を握る方、七つの金の燭台の間を歩く方が、こう言われる──。2 わたしは、あなたの行い、あなたの労苦と忍耐を知っている。また、あなたが悪者たちに我慢がならず、使徒と自称しているが実はそうでない者たちを試して、彼らを偽り者だと見抜いたことも知っている。3 あなたはよく忍耐して、わたしの名のために耐え忍び、疲れ果てなかった。4 けれども、あなたには責めるべきことがある。あなたは初めの愛から離れてしまった。5 だから、どこから落ちたのか思い起こし、悔い改めて初めの行いをしなさい。そうせず、悔い改めないなら、わたしはあなたのところに行って、あなたの燭台をその場所から取り除く。6 しかし、あなたにはこのことがある。あなたはニコライ派の人々の行いを憎んでいる。わたしもそれを憎んでいる。7 耳のある者は、御霊が諸教会に告げることを聞きなさい。勝利を得る者には、わたしはいのちの木から食べることを許す。それは神のパラダイスにある。』
8 また、スミルナにある教会の御使いに書き送れ。『初めであり終わりである方、死んでよみがえられた方が、こう言われる──。9 わたしは、あなたの苦難と貧しさを知っている。だが、あなたは富んでいるのだ。ユダヤ人だと自称しているが実はそうでない者たち、サタンの会衆である者たちから、ののしられていることも、わたしは知っている。10 あなたが受けようとしている苦しみを、何も恐れることはない。見よ。悪魔は試すために、あなたがたのうちのだれかを牢に投げ込もうとしている。あなたがたは十日の間、苦難にあう。死に至るまで忠実でありなさい。そうすれば、わたしはあなたにいのちの冠を与える。11 耳のある者は、御霊が諸教会に告げることを聞きなさい。勝利を得る者は、決して第二の死によって害を受けることはない。』
12 また、ペルガモンにある教会の御使いに書き送れ。『鋭い両刃の剣を持つ方が、こう言われる──。13 わたしは、あなたが住んでいるところを知っている。そこにはサタンの王座がある。しかしあなたは、わたしの名を堅く保って、わたしの確かな証人アンティパスが、サタンが住むあなたがたのところで殺されたときでさえ、わたしに対する信仰を捨てなかった。14 けれども、あなたには少しばかり責めるべきことがある。あなたのところに、バラムの教えを頑なに守る者たちがいる。バラムはバラクに教えて、偶像に献げたいけにえをイスラエルの子らが食べ、淫らなことを行うように、彼らの前につまずきを置かせた。15 同じように、あなたのところにもニコライ派の教えを頑なに守っている者たちがいる。16 だから、悔い改めなさい。そうしないなら、わたしはすぐにあなたのところに行き、わたしの口の剣をもって彼らと戦う。17 耳のある者は、御霊が諸教会に告げることを聞きなさい。勝利を得る者には、わたしは隠されているマナを与える。また、白い石を与える。その石には、それを受ける者のほかはだれも知らない、新しい名が記されている。』
18 また、ティアティラにある教会の御使いに書き送れ。『燃える炎のような目を持ち、その足は光り輝く真鍮のような神の子が、こう言われる──。19 わたしは、あなたの行い、あなたの愛と信仰と奉仕と忍耐を知っている。また、初めの行いにまさる、近ごろの行いも知っている。20 けれども、あなたには責めるべきことがある。あなたは、あの女、イゼベルをなすがままにさせている。この女は、預言者だと自称しているが、わたしのしもべたちを教えて惑わし、淫らなことを行わせ、偶像に献げた物を食べさせている。21 わたしは悔い改める機会を与えたが、この女は淫らな行いを悔い改めようとしない。22 見よ、わたしはこの女を病の床に投げ込む。また、この女と姦淫を行う者たちも、この女の行いを離れて悔い改めないなら、大きな患難の中に投げ込む。23 また、この女の子どもたちを死病で殺す。こうしてすべての教会は、わたしが人の思いと心を探る者であることを知る。わたしは、あなたがたの行いに応じて一人ひとりに報いる。24 しかし、ティアティラにいる残りの者たち、この教えを受け入れず、いわゆる「サタンの深み」を知らないあなたがたに言う。わたしはあなたがたに、ほかの重荷を負わせない。25 ただ、あなたがたが持っているものを、わたしが行くまで、しっかり保ちなさい。26 勝利を得る者、最後までわたしのわざを守る者には、諸国の民を支配する権威を与える。27 彼は鉄の杖で彼らを牧する。土の器を砕くように。28 わたしも父から支配する権威を受けたが、それと同じである。また、勝利を得る者には、わたしは明けの明星を与える。29 耳のある者は、御霊が諸教会に告げることを聞きなさい。』
3:1 また、サルディスにある教会の御使いに書き送れ。『神の七つの御霊と七つの星を持つ方が、こう言われる──。わたしはあなたの行いを知っている。あなたは、生きているとは名ばかりで、実は死んでいる。2 目を覚まし、死にかけている残りの者たちを力づけなさい。わたしは、あなたの行いがわたしの神の御前に完了したとは見ていない。3 だから、どのように受け、聞いたのか思い起こし、それを守り、悔い改めなさい。目を覚まさないなら、わたしは盗人のように来る。わたしがいつあなたのところに来るか、あなたには決して分からない。4 しかし、サルディスには、わずかだが、その衣を汚さなかった者たちがいる。彼らは白い衣を着て、わたしとともに歩む。彼らがそれにふさわしい者たちだからである。5 勝利を得る者は、このように白い衣を着せられる。またわたしは、その者の名をいのちの書から決して消しはしない。わたしはその名を、わたしの父の御前と御使いたちの前で言い表す。6 耳のある者は、御霊が諸教会に告げることを聞きなさい。』 (ヨハネの黙示録2:1-3:6新改訳2017)』

この項では、小アジヤ地方に存在した7つのうち、5つの地方教会について簡単に述べることにします。それぞれは、紀元一世紀に実存した教会で、それぞれに後の時代にできる教会の特徴を表しています。

エペソは、「好ましい」という意味があり、使徒時代(AD30-AD100)の型を表す教会です。

スミルナは、「没薬」という意味があり、迫害時代(1世紀-4世紀)の型を表す教会です。

ペルガモンは、「結婚した」という意味があり、国家教会(4世紀-5世紀)の型を表す教会です。

ティアティラは、「継続した犠牲」という意味があり、暗黒時代(6世紀-15世紀)の型を表す教会です。

サルディスは、「逃れるもの」という意味があり、カトリックから逃れた宗教改革時代(16世紀-17世紀)の型を表す教会です。

フィラデルフィアとラオデキアは、次の項で取り上げます。

ヨハネの黙示録を記したパトモス島は、エペソの沖合、エーゲ海に浮かぶ島です。江戸時代の日本で言う所の「遠島」で、「八丈島」みたいなイメージでしょうか?

余談ですが、聖書に記されていることをどのように解釈するかは、様々な見解があり、最終的な判断は、個々の信仰次第という所に行き着きます。私は、ディスペンセーション系譜の環境で育ち、ハーベストタイムミニストリーズのコンテンツを学ぶうちに、フルクテンバウム師のヘブル的解釈の大切さを知りました。メシアであるイエス・キリストがリアルに語られたのは、イスラエルという土地であり、文化的背景はヘブル語環境でした。このことから、ラビ的解釈をベースにしたやり取りがあったと考えれば、ヘブル的解釈をした方が、【主】の意図の理解を深められるのではないかと考えています。

聖書は、単なる歴史書ではなく、永遠から永遠までを様々な角度から表現している書物なので、難解であり、有限である人間がすべて理解するということはないと考えています。私は、聖書の核心について、【主】のめぐみの一端を理解していれば、天国行きのパスポートを得られると考えています。

でも、それが理解できると、その背景に興味が湧いてきます。でも、その全容は、天に迎え入れられてからで十分だとも考えています。

さて、ここでは囚われの身になったヨハネに、幻を通じて黙示された内容の記録です。見せられた幻の形容や描写に困ったでしょうね。同じものを今の時代の人が見せられたとしたら、違う表現をしていたかも知れませんね。

この7つの教会に対しての手紙の部分は、【主】が語ったことをヨハネが記録しています。そして、その手紙は回覧されて、多くの人に読まれたことでしょう。

紀元1世紀に現存した教会が、その後の時代の教会を表す型として提示されるのは実に不思議だと感じます。

当時は、ギリシャ領だった小アジヤ地方は、ギリシャ文化の背景を受け、エペソやサルデスにはアルテミス神殿があり、ペルガモンには、「サタンの王座」と形容されているアスクレピオス神殿(ギリシャの名医とされ、WHOのシンボルにも成っている)がありました。その他、イゼベルに習う人たち、バアル信仰、マリヤ崇拝などもあり、シナゴーグに蔓延るサタンに属する人たちまで存在していました。

地域教会は、コミュニティですから、様々な人たちが出入りします。その中で、信仰の秩序を立て続けることに困難があるのは、いつの時代でも同じなのですね。

さらに、【主】とサタンの間に置かれた人間は、そこで揺れ動いているどころか、揺さぶられているのですね。信仰で、【主】との繋がりを確認して歩みたいと考えています。

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Posted by dblacks