涙が出る間に 夏目漱石
『涙がこぼれる程だと譬に云うが、涙が出る位なら安心なものだ。涙が出るうちは笑う事も出来るに極ってる。 夏目漱石』
ある演歌歌手が、師匠から聞いた話として、語っていた話を思い出します。それは、「悲しい時は、涙が出るものだと思っているかも知れないけれど、その涙はやがて枯れるものだよ。そうなるとどうなると思う? そのようになれば、微笑むことさえ、人間にはあるのだよ。」という内容でした。
「なるほどなあ」と、聞いていたのですが、このフレーズを見た時に、ある程度の共通性に、適確に人間の観察をしている人がいるのだと感心しました。
その類いのセンスやトレーニングをしている俳優さんなら話は別ですが、人間の涙は、不思議なコトに、出そうと思っても出るものではありません。
その逆でに、涙を止めるのも、難しいですね。
その人の琴線に触れる何かが、涙腺を解放するのです。これには、かなりの個人差があると感じています。
それは、感性豊かな健全とされる状態でもあります。
大切な人を亡くした時に、思いっきり涙を流して、気持ちに区切りをつけるという状況が分かりやすいかも知れません。でも、その様な時に当事者は、次から次へ手続きがあるもので、それらが一段落しなければ、涙を流す心のゆとりさえないケースもあるでしょうね。
「涙活」という言葉があるように、涙は心の汗かのように、時には涙を流してリフレッシュする方法もあり、そのために涙活アイテムもあるようです。
涙が誘われるのは、どういう時でしょうか?
感動した時、悲しい時、夢破れた時などが考えられますが、不思議なコトにうれしい時にも涙があふれることがあります。
周囲で起きている出来事は、いつも誰かの心を揺さぶり、涙を誘発しているのですね。
また、悔し涙という怒りにも似た状態の時にも、涙がこぼれたり、こぼれなかったり、感情の処理が難しいテーマなのかも知れませんね。
気持ちの整理が上手な人は、まるで夕立が降り注ぐほど涙を流したと思ったら、ケロッとして微笑んでいると言うような人も見たことがあります。
また、最近のデジタルが目に与える影響を考慮して、たまには涙活で、目の洗浄と表面の保護をしてみるのも悪くありませんね。
最近、涙を流していますか?
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