引きこもりの作法について 一条の光を共有するために
「朝、子どもが寝床からなかなか起きてきません。どうしたらいいでしょう」 不登校の子どもをもつ親さんのカウンセリングをしていると、よく相談されることの一つです。
親御さんの多くは、布団を引きはがし、「起きなさい」「イヤだ」のバトルを繰り返します。
毎日30分はあたりまえ。なかには「毎朝2時間バトル」し続けた(以下略)
参考資料:学校に行けない「からだ」p90より 諸富祥彦 著
子どもが、ふとんと一体化したのでないかと心配なのは保護者ですね。
それが、ある日突然起こり、バトル状態になると、それが激化していくと言うのです。
そもそも、朝の目覚ましの習慣は、本人の課題に向き合うために必要なコトです。つまり、自立のステップが、自分で起きる時間を決めて起き上がるということだと考えています。諸富祥彦氏が指摘しているように、「起きるのは本人の課題(アドラー心理学)」という考え方ですね。
しかしながら、私も何回かは寝坊をした記憶もあります。その経験は、教訓として生きています。
「自立」を促すならば、過保護・過干渉を避けることが大切ですね。
サポートの方法の提案もありました。
それは、「五感を刺激して脳の血流アップをサポート!」というものです。
①カーテンを開けて光を入れる(視覚)
②本人の好きなアップテンポの曲!(聴覚)
③マッサージで血流を促す(触覚)
④梅肉エキスやすっぱいものを口に入れて、脳の血流をよくする(味覚)
⑤アロマの香りで脳を刺激する(嗅覚)
⑥腹式呼吸でリラックス(全身)
参考資料:学校に行けない「からだ」92pより 諸富祥彦 著
①カーテンを開けて光を入れる(視覚)
本人の目に光が入ることで脳内のセロトニンの分泌が活性化し、 心とからだが覚醒します。
太陽光には体内時計を整える働きもあり、早朝に光を浴びると夜眠くなる時間が早くなりやすくなります。
②本人の好きなアップテンポの曲!(聴覚)
母親のどなり声は起きる意欲を削り、「反発心=寝ていたい」を強くします。 どなるのをやめて、子どもの好きな「音楽」を流しましょう。
③マッサージで血流を促す(触覚)
本人がいやがらなければ、起きられずにいるお子さんに、どこをマッサージしてほしいか聞いて、リクエストに応じてやっていきましょう。
④梅肉エキスやすっぱいものを口に入れて、脳の血流をよくする(味覚)
朝の活動をスタートするには 「脳内の血」が決め手、脳内の血流をよくするために、目覚めの刺激となる「すっぱい食べもの」を置くこと。「梅肉エキス」や「すっぱいタブレット」「ミント系のタブレット」でも効果を発揮することがあります。
これは、お子さんの「(学校に)行かなきゃという気持ち」に「脳という臓器」がついていける状態にしようとするお子さん自身の力をサポートするためです。
⑤アロマの香りで脳を刺激する(嗅覚)
嗅覚に働きかけるアロマには即効性があります。ラベンダー、ペパーミントなどを好みに合わせて活用すると良いですね。
⑥腹式呼吸でリラックス(全身)
ポイントは、息を鼻から吸って、おなかからできるだけ長く吐く、不安やストレスの緩和に即効性のある対処法として腹式呼吸が有効です。
不登校に伴い、身体が変容してしまった場合には、このようなケアを参考に、当事者間で合うものを探っていくことも大切ですね。
リラクゼーション効果以上に、ぬくもり効果が期待できます。それが良いかを話し合うことも課題の共有になりますから、本人が主体的に選択していける提案をすることで、意欲を高めることも期待できます。
まるで、看病や介護をイメージしますが、ケアをするという点では、共通の課題もあるのですね。
あせる気持ちを抑えながら、目の前の「いのち」に向き合うことは、忍耐力が求められますが、その努力はムダにならないと思います。
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