感情の使い方を教えてくれない フランケンシュタイン(ロバート・デニーロ)

『俺には感情があるが、使い方を教わっていない フランケンシュタイン(ロバート・デニーロ)』

和田誠さんの著書「愛蔵版 お楽しみはこれからだ PART7」に記されていて、ハッとしたフレーズです。

和田誠さんは、映画の名セリフにフォーカスして、評論をしています。その著書の中で取り上げられていた一つが「フランケンシュタイン」のモンスターを演じたロバート・デニーロのセリフです。

また、その著書の中で、「フランケンシュタインが作った人造人間は、醜いというだけで疎外され、人も殺すが、悩んだり悲しんだりする。デニーロはそういう怪物を演じることにやり甲斐を感じて張り切ったのだろう。」と和田誠さんは記しています。

さらに、「知恵を増やす者は悩みと悲しみも増やす」というセリフもピックアップしていて、人間が抱える葛藤を思い起こさせます。

人造人間という設定だからこそ、客観性を持って見られるのですが、その映画を見ている人間への問いかけなのでしょうね。

日常生活で、自分自身の感情の扱いに困惑して葛藤を抱えている人を多く見ています。

感情に振り回される人や感情を抑え込もうと、必死に努力を続ける人など様々です。

幼少の時は、周囲を気にせず、泣きわめいたり、叫んだりしていたのに、成長するに従って、表面上は「大人しく」装う人が、多数派のように感じます。

孫を育てている人は、孫の素直な振る舞いを「自己表現のお手本」と言っています。

健全に「大人」に成熟することと、単に「大人しく」なることには、大きな差を感じます。

感情の使い方は、自分自身のバランスをとるために大切な要素であり、周囲との対人関係を保ち、また広げるためにも重要だと考えています。

人間の感情の使い方は、周囲の先生からの学び実践する事は、一生の課題なのでしょうね。

また、「知恵(知識?)」についても、「悩みと悲しみ」が伴うことを考えておく必要性を示唆されています。

世の中には、知らない方が良かったと感じるコトもありますから、何でもかんでも知りたがるのは控える方が幸せのためなのかも知れませんね。

しかし、何を知っても、情報を冷静に受け止めて、適切に振る舞える「知恵」は、バージョンアップしていきたいと考えています。

「フランケンシュタイン」
 製作=フランシスーフォードーコッポラ、ジェイムズ・V・ハート、ジョンービーチ
 監督=ケネスーブラナー
 脚本=ステフーレイディ、フラン

和田 誠(わだ まこと、1936年〈昭和11年〉4月10日 – 2019年〈令和元年〉10月7日)は、日本のイラストレーター、グラフィックデザイナー、エッセイスト、映画監督。大阪府生まれ。

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Posted by dblacks