イスラエルに対する天での戦い ヨハネの黙示録12:7-17

『7 さて、天に戦いが起こって、ミカエルとその御使いたちは竜と戦った。竜とその使いたちも戦ったが、
8 勝つことができず、天にはもはや彼らのいる場所がなくなった。
9 こうして、その大きな竜、すなわち、古い蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれる者、全世界を惑わす者が地に投げ落とされた。また、彼の使いたちも彼とともに投げ落とされた。
10 私は、大きな声が天でこう言うのを聞いた。「今や、私たちの神の救いと力と王国と、神のキリストの権威が現れた。私たちの兄弟たちの告発者、昼も夜も私たちの神の御前で訴える者が、投げ落とされたからである。
11 兄弟たちは、子羊の血と、自分たちの証しのことばのゆえに竜に打ち勝った。彼らは死に至るまでも自分のいのちを惜しまなかった。
12 それゆえ、天とそこに住む者たちよ、喜べ。しかし、地と海はわざわいだ。悪魔が自分の時が短いことを知って激しく憤り、おまえたちのところへ下ったからだ。」
13 竜は、自分が地へ投げ落とされたのを知ると、男の子を産んだ女を追いかけた。
14 しかし、女には大きな鷲の翼が二つ与えられた。荒野にある自分の場所に飛んで行って、そこで一時と二時と半時の間、蛇の前から逃れて養われるためであった。
15 すると蛇はその口から、女のうしろへ水を川のように吐き出し、彼女を大水で押し流そうとした。
16 しかし、地は女を助け、その口を開けて、竜が口から吐き出した川を飲み干した。
17 すると竜は女に対して激しく怒り、女の子孫の残りの者、すなわち、神の戒めを守り、イエスの証しを堅く保っている者たちと戦おうとして出て行った。 ヨハネの黙示録12:7-17 新改訳2017』

これは、大患難時代の中間期に起こる戦いです。

天には3つの種類があり、第1の天(鳥が飛ぶ空間)、第2の天(星が存在する宇宙空間)、第3の天(神が隣在される超自然の空間)に区分されています。

ここでは、第3の天で戦いが起こっています。

戦いの当事者は、「ミカエルと聖なる天使たち」です。ミカエルは、イスラエルの守護天使です。ダニエル12章1節とヨハネの黙示録12章は、同じ内容の預言です。

「竜とその使いたち」は、悪魔と悪霊どもを意味しています。

戦いの結果は、ミカエルと聖なる天使たちが勝利しました。そして、悪魔と悪霊どもは天にいることができなくなります。

「悪魔は地上に投げ落とされた。」とあるのは、それまでは、悪魔は第3の天に上ることができていたのです。ヨブ記1章では、悪魔は第3の天に上り、ヨブを糾弾しています。

大患難時代の中間期に、悪魔と悪霊どもは地上に投げ落とされます。それによって、悪魔は、自分に残された時間が3年半しかないことを悟るのです。

悪魔が地上にいてイスラエルに猛攻撃を仕かける理由が、そこにあります。

「天で大きな声」は、大患難時代の殉教者たちの声だと考えるのが妥当でしょう。殉教者たちは、【主】の最終的な勝利を待ち望んでいるのです。

喜びの理由は、信者を神の御前で訴えている者が投げ落とされるからなのです。

「今や、私たちの神の救いと力と国と、また、神のキリストの権威が現れた」と、その声は、4つのことが現れたことを喜んでいます。

「私たちの神の救い」、究極的には神の計画の成就を意味しています。「力」とは、神の計画の成就をもたらす「神の力」です。「国」とは、メシア的王国(千年王国)の成就が近いということです。「神のキリストの権威」は、メシア的王国を統治するキリストの権威のことです。

これは、詩篇2:2が完全に成就した時に揃う要素なのです。

霊的戦いに勝利するための3つの武器は、「小羊の血」であり、信じる者の罪を赦し、清くします。また、「あかしのことば」は、サタンの嘘に打ち勝つことばです。十字架のことばのことです。そして、「全き献身」は、殉教者は自分の命よりもキリストを証言することを重視しました。彼らは、スミルナの教会に与えられて命令に従ったのです(黙2:10)。

天での声は「天に住む者たちは、喜ぶべきである。」また、「地上に住む者たちは、わざわいが来ることを知るべきである。」と続けます。

地に落とされた悪魔(サタン)は、自分の時が短いことを知り、激しく怒ります。

大患難時代における裁きは、神がもたらすものですが、大患難時代における苦難(殉教の死)は、悪魔(サタン)がもたらすものなのです。

ここで、ヨハネの黙示録12:6と13:13がつながります。

地上に投げ落とされた悪魔(サタン)は、ただちにイスラエルを攻撃します。悪魔(サタン)がイスラエルを憎むのは、イスラエルの性質のゆえではなく、悪魔(サタン)は、神の計画の中でイスラエルが果たす役割のゆえに憎むのです。

大鷲の翼は、「イスラエルを守る神の力と忠実さを示す」比ゆ的言葉です。これを理解するには、旧約聖書が参考になります。

『4 『あなたがたは、わたしがエジプトにしたこと、また、あなたがたを鷲の翼に乗せて、わたしのもとに連れて来たことを見た。 出エジプト19:4新改訳2017』

「荒野に飛んでいった」とは、ヨルダン川の東にある山地のことで、イスラエルは、この荒野で3年半の間、神によって養われます。そこに、神の超自然的守りがあるのだと考えます。

16節は、「洪水」が比ゆ的言葉として用いられています。これは、大軍がイスラエルの後を追ってくるということを意味しています。しかし、「竜が口から吐き出した川を飲み干した」とあるのは、神の超自然的な介入を示す比ゆ的言葉で、悪魔の策略は失敗するのです。

悪魔は、攻撃の的を「女の子孫の残りの者」に絞って来ます。つまり、「神の戒めを守り、」「イエスのあかしを保っている者たち」、つまり、メシアニックジューがターゲットになります。

悪魔と呼ばれるサタンは、「巨大な竜」、「古い蛇」、「悪魔」、「サタン」、「全世界を惑わす者」という異名もあります。詳細は、別項で記します。

サタンについては、過大評価も過小評価もしてはいけない存在です。等身大の把握が大切なのです。

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Posted by dblacks