情動の中枢を守る アロマの功罪
「ああ、いい香りだあ~」
そんな時は、癒やしを感じます。
でも、そのメカニズムを知ると、喜んでばかりはいられないですね。
吸い込んだにおいは直接、情動の中枢に
におい物質の刺激は、嗅細胞(嗅覚神経細胞)、嗅球を介して主に脳の大脳皮質・一時嗅覚野と大脳辺縁系の扁桃体に送られる。さらに、刺激情報は、二次嗅覚野や、視床下部、視床、海馬にも送られる。扁桃体は情動の中枢なので、におい刺激により不快感、快感を作った記憶回路がつくられる。視床下部は、自律神経系の調節を担うため、においや刺激が全身に影響を及ぼすことがある。嗅覚以外の感覚刺激は、視床を経てから、大脳皮質感覚野の情報を伝達するが、嗅覚だけは特別な経路を持つ。
出典:NPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議「STOP!香害」パンフレットより
つまり、においは、即座に、情動の中枢である扁桃体に届くのです。
そうすると、快感や不快感が、即座に出てくると言うのですね。
一時期、「アンパン」などと称して、シンナー遊びなど流行しましたが、一時的な快感を得る人がいても、後で、歯がボロボロになったりして、蝕まれ、一時的な快感の代償の大きさを知りました。
私は、シンナーのにおいが苦手だったので大丈夫でしたよ。
でも、そのシンナー遊びの途中で、引火して、大やけどというケースもありましたから、これもまた、一時的な快楽の大きな代償ですね。
さて、最近はアロマテラピーを嗜む人が増えているようです。
それで、癒やされる人もいますが、それを不快に感じる人もいるのです。
人間の感覚は千差万別ですね。
このアロマテラピーの効用は、情動の中枢である扁桃体が「心地良い」と判断すると「快」の記憶が呼び覚まされるようです。でも、「不快」と判断されると、体調不良になることもありますからご用心ですね。
アロマは、ある人はいやしますが、別の人は病気にしてしまうこともあるのです。
においや香りは、快楽や不快感に直結していることを意識して、共存社会に対する配慮が進むことが、穏やかな社会形成に貢献する基礎にもなるのでしょうね。
自分が癒やされる空間を他の人に影響を与えない範囲で確保することも必要かも知れません。
日常の生活臭も、その環境にいれば麻痺してわかりません。
でも、来訪者があれば、何らかの反応や影響がある可能性が高いですね。
参考資料:香害入門 深谷桂子 著
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません