欠点は美点でもある ジューベール

『少しの欠点も見せない人間は馬鹿か偽善者である。警戒せよ。欠点の中には美点に結びついて美点を目立たせ、矯正しない方がいいというふうな欠点もあるものである。 ジューベール』

自分の弱みだけは見せたくないという意識があります。

でも、案外、隠したいことは、隠せていないという現実があります。

「公然のヒミツ」という言葉があるように、ヒミツでも何でも無いことに溢れている世の中です。

そこで、冒頭のフレーズです。

欠点は、防衛という観点からは見せたくないという考え方は、非現実的だと指摘しています。

「馬鹿か偽善者」という表現は、少々、辛辣で炎上の懸念がある言い回しですね。

でも、現実的な対応のためには、考え方を180度変える方が良いということですね。

カウンセリングの一つの考え方に、「なおそうとするな、わかろうとせよ」という原則を共有しているグループがあります。

その原則によれば、このフレーズは、その人の個性を活かすために必要な考え方と言うことになります。

自分が欠点と思っていても、それは、自分だけの視点かも知れません。

世の中には、多種多様な視点や価値観がありますから、それらからすれば、美点だと評価される欠点もありますね。

「痘痕も靨(あばたもえくぼ)」などと言う言い回しもありました。これは、「恋する者の目には、相手のあばたでもえくぼのように見える。ひいき目で見れば、どんな欠点でも長所に見えるということのたとえ。(goo辞書)」言う意味です。

「蓼(たで)食う虫も好き好き」ともいいます。これは、「タデの辛い葉を食う虫もあるように、人の好みはさまざまであるということ。(goo辞書)」と言う意味です。

表面上の装いを重視するよりも、内面を見せていく方が、良好な関係性が発展する可能性もあります。

欠点は、自分にとって耐え難い汚点のように感じてしまうこともありますが、魅力の一つと考えられるかがマインド転換のカギなのかも知れませんね。

自己受容という観点からも、自分の欠点を認めて、受け入れることが第一歩です。それを何かに活かすという逞しさも人生には大切なマインドです。

誰かに、それが、美点でもあるという評価をいただけるとすれば、有難い出会いなのかも知れませんね。

ジョセフ・ジュベール(Joseph Joubert)1754年~1824年
フランスの作家

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Posted by dblacks