舞台人のアイコンタクトは意識的

私は、宝塚歌劇団の舞台を見たことがありません。でも、ご親族に宝塚に在籍していた方やコアなファンの方のお話しを聞かせていただくこともあります。

何が魅力なのか?

その一つに、舞台上のスターと目が合う瞬間があるといいます。

このことは、明治大学文学部教授の齋藤孝さんも、述べています。それは、阿川佐和子さんとの共著「対話力」に記されています。

斉藤さんも宝塚を観劇していて客席の自分と舞台上のスターの目が合ったと感じた瞬間があったので、元雪組トップスター水夏希さんと対談する機会に聞いてみたという内容でした。

それによると、宝塚のスターは、意識的に、客席の一人一人とアイコンタクトをとっているのだと言うのです。

「しかも、ぼんやりと見るのではなく、自分の体から何百本、何千本という綱が出ていて、それがお客さん一人ひとりにつながっていて、自分がその綱を右に向けたら、お客さんがそちらにダーッと流れ、左に向けたらそちらにダーッと流れようなイメージだとおっしゃっていました。宝塚歌劇団のスターの皆さんは一人のお客さんも逃さないように、全員がそれを意識してやっているということでした。」「対話力P36より引用」

なるほど、という感じです。

人馬一体と言うのは、馬と乗り手のコミュニケーションに留まらず、見ている人にもその一体感が伝わり、感動を共有することができます。

宝塚の場合は、スターが見えない綱を通じて客席とコミュニケーションをとりながら、その場を一体にまとめ上げていたのですね。

私は、音楽のライブを見ることがあるのですが、その時にも、似たような瞬間があったように思います。

客席は暗いから、それほど見えないという演者もいますが、結構見えるという演者もいます。演者の視力や視認性の影響かも知れませんね。

スターでなくても、コミュニケーションには、このアイコンタクトが非常に重要だと感じています。

これには、相手を睨み付けるのではなく、凝視するのでもない、適度なアイコンタクトが、お互いに必要なようです。

お互いに心地良いアイコンタクトを意識的にとることができると、それまでより、もっと良好なコミュニケーションが育っていくことでしょうね。

一対一だけではなく、相手が多人数でも、工夫して、最良のアイコンタクトを探求していきたいと考えています。

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Posted by dblacks