先手は有利なのか? 先んずれば人を制す…中国の故事成語
『◇先んずれば人を制す(中国の故事成語)
人の先手を打つことで、他人に勝つことができるということ。人よりも先に行動を起こせば、有利な立場に立つことができるということ。「『史記』項羽本紀より。 秦の国に対する反乱が起きた時、会稽の太守であった殷通という人が、自分の部下に「先んずれば即ち人を制し、後るれば則ち人の制する所となる」(人よりも 先に行動を起こせば人の先頭に立って指示を出せるが、人の後から行動を起こせば、人に指示され支配されることになる) と言ったという。ただ、殷通は実際には、先手を取られて敗れたという。』
この説明を読み進めると、「先手を取られて敗れた」と記されています。
そのように説明されると「やっぱり、先手必勝か?」と思います。
囲碁のルールでは、先手が有利なので、終局のカウントにもルールがあります。
互先(たがいせん)
黒を持った人が先手(せんて)で最初に打ち、白を持った人は後手(ごて)であとから打ちます。そして先番(黒が打つ)を交代しながら打つことを「互先」(たがいせん)といいます。
互先の囲碁では先手の方が後手よりどうしても有利になってしまうので、コミ碁を採用しています。
「コミ」とは互先黒番の有利を調整するため、計算上で黒が白に渡す目数のことで、通常、コミは6目半となっています。
コミに半目をつけるのは、持碁(ジゴ=引分け)を避けるためです。
互先とは、対戦者が互角の場合を意味します。実力差を埋めるために、ハンデが用意されているのです。
このように、囲碁の場合は、先手が有利ということなのですね。
人生の中で、いのちを賭けた局面では、負けは「死」を意味します。
ですから、真剣に向き合う必要があるのですね。
でも、「勝ち」を意識しすぎる弊害もありそうです。
平時のコミュニケーションの現場では、対話やゲームを共有し楽しむというケースがあります。
常に、相手を言い負かそうとしている人がいますが、それでは、対話が成立しません。
大切なのは、勝ち負けを抜きにして、そこにいる人たちの気持ちを真ん中に集めることです。
「和して同ぜず」
客観的なスタンスが大切なのです。
でも、結論を得る必要があるならば、できるだけ、気持ちを集約した上で、採決すれば良いのです。
その場に、勝ち負けはなくても、その会合の価値は、爆上がりすることでしょうね。
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