タダの人ペテロとヨハネ 使徒の働き4:13
『4:13 彼らはペテロとヨハネの大胆さを見、また二人が無学な普通の人であるのを知って驚いた。また、二人がイエスとともにいたのだということも分かってきた。 使徒の働き4:13新改訳2017』
「二人が無学な普通の人」という言い回しについて考えます。
これは、「ラビ教育を受けていない」という意味です。つまり、ラビになる学問も資格もないということです。裏返せば、パリサイ派もサドカイ派も、それぞれの基準で、人生のステップが用意されていたということです。かつて、イエスに向けられた言葉がヨハネ7:15にあります。それと、同根なのです。イエスが、創造主である神【主】とわからない人の不用意な発言ですが、そのような思考と視点しか持ち合わせていなかったのです。
ガリラヤの漁師たちが、イエスと共にいたことは周知の事実でした。
また、権力者たちは、そのイエスをローマ帝国に引き渡して、十字架刑にし、亡き者にしたはずでした。
でも、当時のユダヤ人コミュニティーの指導者(サンヘドリン)たちにとっては、予想外の結果になり、その衝撃を引き摺っているのです。
彼らは、自分たちの足元に起きている流れをどうにかして止めたかったのです。
時を戻せば、十字架刑の時、そのタイミングが過越の祭と重なるとわかると、十字架から降りるように叫んでいました。それは、そのタイミングで、メシアであるイエス・キリストが、唯一の義人として死ぬことが、受難のメシア預言で示されていたからです。イエスを亡き者にする彼らの思惑は完全に失敗したのです。
イエスはその後、葬られ、三日目に復活しました。それは、ローマ兵が気絶するほどの衝撃だったのです。イエスの弟子たちが、イエスの亡骸を盗み出して、イエスが復活したことにすると疑って、ローマ兵をその墓に配備したのですが、墓の中から復活されるとは想定外だったのです。この事実を祭司長たちに伝えるとローマ兵の責任にはならないようにするから、「弟子たちが盗みに来た」と言うように多額のお金で買収されたと記されています(マタイ28章)。その話ごと伝わっているのは何とも格好悪いですね。
さらに、五旬節の祭りの時に、聖霊が降臨(ペンテコステ)しました。
それまで、引きこもり気味だった弟子たちが、聖霊の内住を受け、聖霊に満たされて大胆に語り出したのです。言うなれば、完全にマイナーだった「ナザレ派」を使徒たちが伝えだし、あっという間に信者が急増しだしたのです。ペンテコステの日に三〇〇〇人、そして、程なくして五〇〇〇人などと記されていますから、二万人を突破していたと考えられています。六〇〇〇人と伝わるパリサイ派が慌てるはずです。
サンヘドリンが、この勢いを衝撃的に受けとめていたのですね。
使徒たちは、ラビ教育を受けていなくても、イエスから伝授されたことや聖霊に満たされて語ることで、大胆に語り、民衆は信仰による応答をしていたのです。
これを何とかしようとしても、打つ手がなかったので、使徒たちを逮捕・拘束したり、脅かしてイエスの御名で語らないように命じたのです。
理屈で論破された上、使徒たちは、創造主である神【主】に従うと宣言していたのです。
この勢いが、そのままならば、世界中が「ナザレ派」の信者になっていたことでしょう。
しかし、そうならなかったのには、さらなる【主】のご計画があったのです。
今でも、イスラエルを垣間見ると、人間の知識やワザによる工作があちらこちらに見えるように感じます。
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