恋愛はチャンスではなく 太宰治
『人生はチャンスだ。結婚もチャンスだ。恋愛もチャンスだ。としたり顔して教える苦労人が多いけれども、私は、そうではないと思う。私は別段、れいの唯物論的弁証法にこびるわけではないが、少なくとも恋愛は、チャンスでないと思う。私はそれを、意志だと思う。 太宰治『ヴィヨンの妻』(岩波書店)』
波瀾万丈という表現では足りないほどの存在が、太宰治だと感じています。
また、欲望に忠実に生きた人だったのかも知れません。
消費者金融では、多重債務問題が、大きくなったり、小さくなったりしながら、収束の兆しがありません。人間は、欲望に忠実に生きれば生きるほど、どれだけお金があっても足りないようです。
消費者金融で、督促や取り立てを担当していた人の話です。
多重債務者の特徴は「見栄をはる」とか、「欲望に忠実」の二点が挙げられるそうです。
ベテランになればなるほど、借金という感覚は無く、ATMから自分のお金を引き出すという感覚になるそうです。
ですから、債務者の手元にいくらかのお金が残っていても、返済する気は無いし、返す「お金はない」という答えになるそうです。
冒頭のフレーズにお金は出てきませんが、鼻先にニンジンをぶら下げられて誘導されている雰囲気がある世の中で、本当のチャンスを生かすために、思考の順序の整理と優先順位の組み替えが必要では無いかと考えます。
今は、国際的にロマンス詐欺が流行していると聞きます。
恋愛感情をエサに、ごっそりと財産を持って行かれるのです。
恋愛感情で伸びた鼻の下や心のスキマを巧妙に狙われてしまわないように、平常心と警戒心が必要のようです。
『ヴィヨンの妻』(ヴィヨンのつま)は、太宰治の短編小説。
性格が破綻した詩人や周囲の人々の生活を、詩人の妻の語りの文体で戯画化して描いた作品。家庭に安住することを厭いなからも、新しい家庭への夢を抱く二律背反の思いを文学へと昇華させた。
第2章は太宰の口述を小山清が筆記したものである。残存する本作品の原稿はすべて太宰の筆跡になっているが、これはあとから書き直したものと推測される[2]。
派生作品
映像
単発ドラマシリーズ『百万人の劇場』(フジテレビ系列)の中で放送された。放送日は1960年4月24日。主演は淡路恵子。
『ふたりは夫婦』(フジテレビ系列)の中で放送された。放送日は1974年12月23日[3]。
映画『ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜』が2009年10月に公開された。監督は根岸吉太郎。大谷が雑誌に書いた論文のテーマが15世紀のフランスの詩人フランソワ・ヴィヨン。放蕩詩人という点で大谷と共通することから、大谷の妻のことを「ヴィヨンの妻」に喩えたと類推され、これがタイトルの由来となっている。
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