聖書ダイジェスト版(4)

 A.D.70年に、イスラエルはローマ帝国により崩壊させられ、離散状態になり、『【主】の選びの民』は、滅亡したかに見えたことでしょう。


 しかし、ここから弟子たちによる命がけの宣教がはじまり、【主】の存在を証言し続けました。新約聖書が記されたとされるA.D.30年から90年代でも、世の終わりと書かれていますので、世情は不安定で混乱期だったのでしょうね。
 離散の民になったユダヤ人は優秀な人が多く、世界中で大活躍しました。それは、2024年の今日も変わりません。

(10)20世紀になり、世界大戦が勃発し、人々は、それまでより終末時代を意識するようになり、特に、1948年のイスラエル再建国には、さぞ多くの人が驚いたことでしょう。


 この文章を記しているのは、2024年8月です。今は、『めぐみの時代』です。しかし、終末時代の兆候を色濃く感じる世の中になって来ています。
 その一つが、ロシアの南進です。これには、地球全体を一つの共同体とみなすグローバリズムと自国第一主義の対立や民族主義、反ユダヤ主義も関係しているようです。戦争や紛争、混乱の背後には悪魔(サタン)の感化があり、【主】の計画に横やりを入れて邪魔をしようとしていると考えています。
 しかし、【主】はそれらを折り込みながら、やがて、【主】の御心を果たされると私は確信しています。
 これを記している時点では、エゼキエル戦争に至っていないと認識しています。近い将来にゴグ(北の国々のリーダー)は、イスラエルに侵攻するとエゼキエル38章に預言されています。
 【主】に信頼する信仰者に関連する次のイベントは『空中携挙』です。信仰者の共同体(キリストの体なる教会=普遍的教会)をメシアであるイエス・キリストが天に引き挙げられるのです。「レフトビハインド」という小説が発売されたのが2000年でした。映像化され、2014年にリメイクされています。その光景をショッキングにとらえる人もいますが、信仰者にとっては、肉体的な世界から解放される瞬間でもあります。


 その時をご存じなのは【主】のみです。怪しい預言などに騙されないように気を付けてください。信仰者は、その時の希望を持ちながら、その瞬間まで、『今ココ』に励み続けるのです。
 2024年の世界に広がっている景色は、壮快で希望に満ちた雰囲気とは言えません。次から次へと、世界中の民が傷つくのを見ながら、心痛めている人が増える傾向を感じます。何時になったら、執拗な嵐が収まるのか、大患難時代の前に、ひと時でも穏やかな時代が来れば有難いなと考えています。
 ここからは、ヨハネの黙示録の内容をダイジェストも交えながら記して行くことにします。また、ヨハネの黙示録には、五百五十箇所もの旧約聖書に関する言及があるとも言われています。まるで、立体パズルのような話ですが、枝葉末節に躓くことなく、本筋を大切にして、信仰による希望を保っていきたいと考えています。
 ヨハネの黙示録は、A.D.90~96年あたりにパトモス島に流刑されていた弟子のヨハネが【主】に見せられた幻を元に記したものです。1章の序文・あいさつからはじまり、天上のキリストが描写されています。2~3章は、当時のギリシャ領だった小アジヤの七つの教会に対しての手紙が記されています。実存した教会への手紙ですが、もう一つの意味合いとして、その後の時代のキリスト教会についても暗示されている奥深い表現がなされています(七つの教会への手紙を参照)。


 4~5章は、七つの封印を解く前の天の光景が記されています。
 6~9章では、大患難時代の前半、10~14章は大患難時代のトピックスについて、15~16章では、大患難時代の後半について、大患難時代の前半の世界統一政府(宗教的バビロン)を17章で、18章は大患難時代の後半における世界統一政府(反キリストが率いる政治的・経済的バビロン)について記されています。
 19章では、メシアの再臨について、20章では、千年王国(メシア的王国)について、21~22章では、新天新地(天国)について記されています。時系列順になっていない箇所があるので、モヤッとする要素はあります。これは、聖書の預言書などでもあり、いつ成就する預言なのかをくみ取るのには難しさを伴います。
 聖書ダイジェストに話を戻しましょう。程なくして地上には、エゼキエル戦争をはじめ、イスラエルにとって苦難・困難の期間である七年の大患難時代が到来します。

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