ヨハネの黙示録1章に関するトピックス

◆流刑の島パトモス島
 パトモス島 (パトモスとう、Patmos, Π?τμο?) は、トルコ沿岸部から程近いエーゲ海に浮かぶギリシャの小島。サモス島の南35キロメートルの所にあり、ドデカネス諸島の最北部の島である。『ヨハネの黙示録』の著者ヨハネが、イエス・キリストから啓示を受けたとされる島として知られている。
 使徒ヨハネはキリストのしもべであり、強大な権力を持つローマでさえも恐れず『キリストの御心』だけを行い、自分が見たすべてのことを証ししたので、私たちに『ヨハネの黙示録』が残されました。使徒ヨハネが実在していたという教会教父たちの証言があります。エイレナイオス、アレクサンドリアのクレメンス、エウセビオスは、それぞれ、「ヨハネは、エペソでの牧会の後、この島に島流しになった。」と記し伝えています。
 最初の黙示録の注解書を書いたヴィクトリヌスの証言によると、ヨハネはパトモス島で囚人として、鉱山で働かされ、A.D.96年にドミティアヌス帝が死ぬと、ネルウァ帝はヨハネのエペソ帰還を許したと記しています。
 
◆イエス・キリストの黙示
 『黙示』はギリシャ語で「アポカリプシス」が使われ、その意味は、「覆いを取る、啓示する」という意味があり、二つの解釈が可能で、「キリストが与えた啓示」または、「キリストに関する啓示」となりますが、ヨハネが書いたことから、『ヨハネの黙示録』と呼ばれています。しかし、【主】は、『イエス・キリストの黙示』というタイトルをつけました。啓示は、父なる神(第一位格)→キリスト(第二位格)→御使い→ヨハネ→試練の中の信仰者たち(私たちも含まれる)という流れになっています。
 
◆すぐに起こるべきこと
 これは、ヨハネが見た幻が数年以内に起こるということではなく、ギリシャ語で「エン」+「タコス」で「エン・タケイ」が用いられていることから、「時が来たならすぐに起こる」という意味でしょう。ダニエル2:28~29、45にある『終わりの日に起こること』と同じことを指しています。「今か? 明日か? いつでも起きる可能性がある」ということです。
 
◆ヨハネの黙示録は四つの時代を啓示しています。
 ①「1~3章 教会時代 ?年」
 ②「4~19章 大患難時代 七年」
 ③「20章 御国の時代 千年」
 ④「21~22章 永遠の時代 無限」
 
◆ヨハネの黙示録を信頼できる理由
①『わたしはアルファであり、オメガである(1:8)』
 キリストは、歴史の支配者です。聖書の中にこそ、本物の歴史哲学があるのです。
②『見よ、その方は雲とともに来られる。(1:7)』
 再臨の希望を抱く者は、日々敬虔な生活を送るようになります。その時がいつか分からないので、その時まで信仰に励むのです。
③『ヨハネは、神のことばとイエス・キリストの証し、すなわち、自分が見たすべてのことを証しした(1:2)』
 ヨハネの黙示録には、『イエス・キリストのあかし』と『ヨハネの証言』があり、このことから、二重に信頼できる書です。
 
◆使徒ヨハネにとってのキリスト
 使徒ヨハネが愛する【主】の声を聞いたのは、おそらく60年ぶりのことでしょう。
 使徒ヨハネが接していた約60年前のキリストは、「ベツレヘムの羊の洞窟で誕生した赤子」で、その使命は「人々に仕えるために来られたしもべ」でした。そのイエスの胸もとに寄りかかっていたのです(ヨハ13:25)。
 その後、全人類の罪を背負い贖いを完成するために『十字架に付けられた苦難のしもべ』、『世の罪を除く神の子羊』であり、『死から甦られた【主】』となりました。
 使徒ヨハネが幻で顕現した『今のキリスト』は、『栄光に輝く【裁き主】』でした。
その栄光で、使徒ヨハネは、足もとに倒れて死者のようになりました。使徒ヨハネは、『キリストのシャカイナグローリー(栄光の輝き)』を知らなかったわけではありません。でも、シャカイナグローリーの全貌に触れた時、彼は恐れたのです。キリストは、そのヨハネに励ましと確証のことばを語りました。それを記したのがヨハネの黙示録です。
 信仰者たちにとってのキリストは、どうでしょうか? キリストを自分の思考のサイズに閉じ込め、自分の思い通りに動かそうとしていないでしょうか?
 信仰者は、『栄光の輝く【裁き主】』としてのキリストを見る必要があります。そのキリストが、信仰者に「交わりの御手」を指し伸ばしておられるのです。
 
◆信仰者にとってのキリスト
 キリストは、『裁き主』として立っておられます。キリストには、『七つの教会を裁く権威と資格』があります。ですから、七つの教会に書き送られたのです。
 ヨハネの黙示録の後半で、キリストは『【主】の敵』を裁かれます。しかし、【主】の裁きは先ず『神の家(信仰者及びその群れ)』から始まらねばならないという言葉を胸に刻んでおきたいものです(1ペテロ4:17)。
 教会に対する裁きの性質についてですが、教会は、聖めと褒賞を目的とした裁きを受けます。そして、この世(不信仰者)は、『罪の罰としての裁き』を受けるのです。
※ハーベストタイムミニストリーズメッセージステーション「ヨハネの黙示録(1)(2)(3)【動画はYouTubeにあります。】」を参照してください。

ヨハネの黙示録第1章各節関連箇所一覧
1:1 ガラテヤ1:12。ロマ16:25。黙示録5:7、ヨハネ17:8。黙示録22:6、ダニエル2:28。黙示録22:16。黙示録22:8。
1:2 黙示録1:9、6:9、19:9、19:13、20:4。黙示録12:17、19:10
1:3 黙示録22:7、22:10、22:18-19、ルカ11:28。黙示録14:13、16:15、19:9、20:6、22:7、22:14。ロマ13:11。
1:4 黙示録1:1。1コリント16:19。黙示録1:11、1:20。黙示録4:8、11:17、16:5、出エジプト3:14。黙示録3:1、4:5、5:6、イザヤ11:2。
1:5 黙示録3:14、19:11、詩篇89:37、エレミヤ42:5、ヨハネ18:37、1テモテ6:13、『確かな証人』または『信頼できる』。詩篇89:27、1コリント15:20、コロサイ1:18。黙示録17:14、19:16。ロマ1:7。ロマ8:37、2テサロニケ2:16。マタイ26:28。
1:6 黙示録5:10、出エジプト19:6。黙示録20:6、ロマ15:16、1ペテロ2:5、2:9。黙示録5:13、詩篇29:1、1ペテロ4:11、『世々限りなく』または『とこしえに』。
1:7 ダニエル7:13、マルコ14:62。詩篇89:37。ゼカリヤ12:10、ヨハネ19:37。マタイ24:30。ルカ23:27。
1:8 黙示録4:8、11:17、15:3、16:7、19:6、21:22。黙示録16:14、19:15、2コリント6:18。黙示録21:6、22:13。
1:9 黙示録19:10。使徒14:22、ロマ5:3、2テサロニケ1:4。黙示録3:10、2テサロニケ3:5。黙示録1:2。
1:10 マタイ28:1、使徒20:7、1コリント16:2。黙示録4:2、17:3、21:10、エゼキエル3:12。黙示録4:1。
1:11 黙示録1:12-20。黙示録1:19。黙示録1:4。黙示録2:1、使徒18:19。黙示録2:8。黙示録2:12。黙示録2:18、2:24、使徒16:14。黙示録3:1、3:4。黙示録3:7。黙示録3:14、コロサイ2:1。
1:12 黙示録1:20、2:1、出エジプト25:31、37:17、1列王7:49、ゼカリヤ4:2。
1:13 黙示録2:1。黙示録14:14、エゼキエル1:26、ダニエル7:13、10:16。出エジプト8:4。ダニエル10:5。黙示録15:6。
1:14 箴言16:31、ダニエル7:9。黙示録2:18、19:12、ダニエル10:6。
1:15 黙示録2:18、エゼキエル1:7、ダニエル10:6。。黙示録14:2、19:6、エゼキエル43:2。
1:16 黙示録1:20、2:1、3:1。黙示録19:21。黙示録2:12、2:16、19:15、ヘブル4:12。黙示録10:1、ダニエル10:6、マタイ17:2。
1:17 ダニエル8:18、10:9。ダニエル10:10、マタイ17:7。ダニエル10:12、マタイ14:27。黙示録2:8、22:13、イザヤ41:4、44:6、48:12。
1:18 ルカ24:5。黙示録2:8、ロマ6:9。黙示録4:9-10、10:6、15:7。黙示録6:8、20:1、20:13-14、ヨブ38:17、ギリシャ語『ハデス』。黙示録3:7、マタイ16:19。
1:19 黙示録1:12-18。黙示録4:1。
1:20 黙示録1:16。黙示録1:12。ロマ16:25、1コリント2:7、2テサロニケ2:7。黙示録1:4。

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