ヨハネの黙示録20章に関するトピックス
◆第一の復活
『12:2 ちりの大地の中に眠っている者のうち、多くの者が目を覚ます。ある者は永遠のいのちに、ある者は恥辱と、永遠の嫌悪に。(ダニエル12:2新改訳2017)』
人間の復活は、『永遠のいのち』への復活と、『恥辱と、永遠の嫌悪』への復活の二種類あります。そして、その間には、千年もの時間差があるのです。
第一の復活は、信仰者の復活です。その第一は、主イエスは「初穂」としての復活されました(1コリント15:20)。第二グループは、携挙の時に起こる、教会時代の聖徒たちの復活です(1テサロニケ4:16)。第三グループは、大患難時代の中間期に起こる、二人の証人たちの復活です(ヨハネの黙示録11:11)。第四グループは、再臨後に起こる、旧約時代の聖徒たちの復活です(イザヤ26:19、ダニエル12:2)。第五グループは、再臨後に起こる、大患難時代の殉教者たちの復活です(ヨハネの黙示録20:4)
◆第二の復活
『5:28 このことに驚いてはなりません。墓の中にいる者がみな、子の声を聞く時が来るのです。5:29 そのとき、善を行った者はよみがえっていのちを受けるために、悪を行った者はよみがえってさばきを受けるために出て来ます。(ヨハネ5:28~29新改訳2017)』
これは、裁きのための復活です。信仰か不信仰が、評価の対象で、その態度が行為に現れるという意味です。行為によって評価されるのではありません。
ヨハネの黙示録20:11~15に、大きな白い御座の裁きが記されています。第二の復活は、この裁きを受けるための復活で、その後、『硫黄の燃える火の池』に投げ込まれるのです。
『シオール』と『硫黄の燃える火の池』の違いは、肉体を持つか持たないかの差で、第二の復活は、肉体に戻された状態で『硫黄の燃える火の池』に行くのですから、その苦しみは、想像を絶するほどで、それが、永遠に続くのです。『永遠の不幸』という形容では表現しきれない苦しみでしょう。
耐え難いと感じれば、聖書には記されていない霊魂消滅説という考え方を持ちたくなるでしょう。しかし、この苦しみは、現実です。
◆旧約時代における死
死者の肉体とたましいとは分離し、肉体は墓に葬られます。これが、第一の死です。死者のたましいは、『シオール(ヘブル語)』に行きます。
新改訳聖書では、この『シオール(ヘブル語)』を『よみ』と翻訳しています。一方、口語訳聖書と新共同訳聖書では『陰府(よみ)』と翻訳しています。
『シオール(ヘブル語)』は、ギリシャ語で『ハデス』です。新改訳聖書では『ハデス(ギリシャ語)』、新改訳2017では『よみ』、口語訳聖書では『黄泉(よみ)』、新共同訳聖書では『陰府(よみ)』と表記しています。これらは、一貫性がないので、読む人が混乱する一因になっています。固有名詞は、そのままの『シオール(ヘブル語)』や『ハデス(ギリシャ語)』を置いた方が理解しやすいのではないでしょうか?
そもそも、旧約時代、この場所『ハデス』は、二つに分かれていました。ルカ16:19〜31を参照すると、その間を行き来することは不可能でした。義人(信仰者)のたましいが行く場所は、『アブラハムのふところ』、あるいは、『パラダイス(ルカ23:43)』と呼ばれています。罪人(不信仰者)のたましいが行く場所は、一般的に『地獄(シオール)』と呼ばれる場所です。
◆新約時代における死
第一の死を経験するのは、新約時代も同じです。義人のたましいは、ただちに天に上げられます(2コリント5:8、ピリピ1:23)。
キリストの死と復活が『ハデス』の状況を一変させました。
死によってキリストの肉体は墓に葬られました。そのたましいは、『パラダイス』に行き、『贖いが完了(完成)したこと』を宣言されました。昇天の時に、キリストは『パラダイス』に留まっていたすべてのたましいを天に引き連れて行かれました(エペソ4:8〜10)。
キリストの昇天以降、ハデスには『苦しみの領域』だけが残っているのです。不信仰者のたましいは、ハデスの『苦しみの領域』に行くのです。
第二の復活によって不信仰者の体とたましいとは、再び結合します。その結果、『ハデスの苦しみの領域(地獄…シオール)』も消滅することになります。大きな白い御座の裁きの後、不信仰者は『硫黄の燃える火の池』に投げ込まれます。これが、第二の死(創造主である神【主】との永遠の分離)です。
◆千年王国(メシア的王国)における死
イザヤ65:20の訳文は、
『65:20 そこにはもう、数日しか生きない乳飲み子も、寿命を全うしない老人もいない。百歳で死ぬ者は若かったとされ、百歳にならないで死ぬ者は、のろわれた者とされる。(新改訳2017)』
『65:20 そこには、もはや若死にする者も/年老いて長寿を満たさない者もなくなる。百歳で死ぬ者は若者とされ/百歳に達しない者は呪われた者とされる。(新改訳)』
『65:20 わずか数日で死ぬみどりごと、おのが命の日を満たさない老人とは、もはやその中にいない。百歳で死ぬ者も、なお若い者とせられ、百歳で死ぬ者は、のろわれた罪びととされる。(口語訳)』
『百歳で死ぬ者は、のろわれた罪びと』と翻訳されている口語訳聖書が適確ではないでしょうか。
イザヤ65:20の意味は、千年王国では、『幼くして死ぬ者はいな』く、死ぬ場合でも、その年齢は100歳です。そして、死ぬのは罪人だけなのです。
◆千年王国(メシア的王国)における死
生まれつきの体(肉体的生命)で千年王国に入るのは、ユダヤ人と異邦人の信仰者だけです。異邦人の場合、山羊の異邦人は殺され、羊の異邦人だけが千年王国に入ることができます。そして、異邦人の子孫たちは、肉体的生命で生活するので、悪魔(サタン)が縛られていて、その活動がなくても、罪の影響を受け、地上に罪人が増えるのです。そして、千年王国の最後に、創造主である神【主】のテストが用意されているのです。
千年王国においても、救いは『信仰と恵み』によるのです。その救いの土台は、『キリストの十字架の死』で、不変なのです。
千年王国で、罪人(不信仰者)は、信じるまでに百年の猶予期間が与えられています。もし、信じなければ、100歳で死ぬのです。
信じれば、千年王国において死ぬことはなくなるのです。聖書には、千年王国の聖徒の復活は出てこないので、信仰者は、死ぬことはないのです。
千年王国においては、ユダヤ人は民族的悔い改めに至っているので、不信者は存在せず、千年王国以降に一人も死ぬことはありません。それは、次に示す新しい契約によります。
『31:31 見よ、その時代が来る──【主】のことば──。そのとき、わたしはイスラエルの家およびユダの家と、新しい契約を結ぶ。
31:32 その契約は、わたしが彼らの先祖の手を取って、エジプトの地から導き出した日に、彼らと結んだ契約のようではない。わたしは彼らの主であったのに、彼らはわたしの契約を破った──【主】のことば──。
31:33 これらの日の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこうである──【主】のことば──。わたしは、わたしの律法を彼らのただ中に置き、彼らの心にこれを書き記す。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。
31:34 彼らはもはや、それぞれ隣人に、あるいはそれぞれ兄弟に、『【主】を知れ』と言って教えることはない。彼らがみな、身分の低い者から高い者まで、わたしを知るようになるからだ──【主】のことば──。わたしが彼らの不義を赦し、もはや彼らの罪を思い起こさないからだ。」(エレミヤ31:31~34新改訳2017)』
※ハーベストタイムミニストリーズメッセージステーション「ヨハネの黙示録(35)~(36)【動画はYouTubeにあります。】」を参照してください。
ヨハネの黙示録第20章各節関連箇所一覧
20:1 黙示録10:1。黙示録1:18、9:1。
20:2 黙示録12:9。イザヤ24:22、2ペテロ2:4、ユダ6。
20:3 黙示録12:9、20:10。黙示録9:1。ダニエル6:17、マタイ27:66。
20:4 ダニエル7:9。黙示録3:21、マタイ19:28。ダニエル7:22、1コリント6:2。黙示録1:9。黙示録6:9、『人々のたましいを見た』別訳『人々のたましいと、獣もその像を拝まず、額にも手にも獣の刻印を受けなかった者たちを見た』。黙示録13:15。黙示録13:17。ロマ6:8。黙示録3:21、5:10、22:5。
20:5 ルカ14:14、1コリント15:52、ピリピ3:11、1テサロニケ4:16-17。
20:6 黙示録1:3。黙示録2:11。出エジプト19:6。
20:7 黙示録20:2。
20:8 黙示録7:1。黙示録20:3。黙示録16:14。ヨシュア11:4、士師7:12、1サムエル13:5。
20:9 エゼキエル38:9、38:16。申命記23:14。詩篇78:68、87:2。2列王1:10、1:12。エゼキエル38:22、39:6、ハバクク1:6。
20:10 黙示録12:9。黙示録19:20。黙示録14:10-11。
20:11 1列王10:18。黙示録6:14、16:20、21:1、詩篇114:3、114:5。2ペテロ3:10。
20:12 黙示録11:18。ダニエル7:10。黙示録3:5、13:8。黙示録11:18。黙示録2:23、2コリント11:15、2テモテ4:14。
20:13 黙示録21:4。黙示録1:18、ギリシャ語『ハデス』、次節も同様。イザヤ26:19。黙示録2:23、ロマ2:6、1ペテロ1:17。
20:14 黙示録1:18。黙示録19:20、20:10。黙示録20:6、1コリント15:26。
20:15 黙示録20:12、マタイ13:42、13:50。
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