トラウマについて考える 3

トラウマの影響については、「Herman, J.L., & Kallivayalil, D.,2019」を参照して考える必要があります。

【考え】として、「頭のなかがごちゃごちゃ」になりがちです。また、いのちの危機を感じた経験から「世の中は安全ではないと思う」など、生きづらさが出てくることもあります。さらに、「死ぬことが頭にうかぶ」なども、出てきます。

また、「生々しい記憶 (フラッシュバック)」が時々蘇るとその時の感情をくり返し体験することになります。

【気持ち】として、「無力感、絶望感、寄る辺なさ」もあり、「ビクビク、恐れ、警戒心、怒り」が沸き上がることも出てきます。

また、「自責感、自分は汚れている」という自分を責める感情が強くなったりして「気分の浮き沈みが激しい」状態になり、孤立無援を感じるような「ひとりぼっちな気持ち、孤独」に浸るようになるコトもあります。

【行動】については、「キレやすい、落ち着かない」だったり、「すぐ「いっぱいいっぱい」になる」や「ちょっとしたことに激しく反応する」などの自己制御が難しい状態になるコトもあります。

このような状態を、「ダルい」と表現したり「過食」や「摂食障害」になることも珍しくありません。

さらに、「だれかにべったり、あるいは、距離を置く」など、対人関係にも大きな影響があります。

その背景には、何かを自分の感情だけで「決めつけ」たり、周囲を振り回したりなどのがあります。

大切なのは、互いに対等で良好な関係性が築く事なのですが、それが、うまくできない傾向が出てきます。

【からだ】は、「疲れやすい、体調を崩しやすい」状態にあり、「睡眠の変化、よく眠れない」などのコンディションが多発します。

また、「食事や食欲の問題」や「胃が痛い、嘔吐(吐き気)、下痢」に加えて「めまい、頭痛」が伴うこともあります。

【対人関係】では、「人を信用できない」という事があったり、「すぐに信用」してしまったりと冷静に考えられない事も出てきます。

また、「人に厳しい、批判的、決めつけ」をしたり、「他者をふりまわす」行動に走りやすくなるようです。

さらに、「暴力的な関係に陥りやすい」傾向もあるようです。

【精神性(スピリチュアル)】に関しては、「信じられるものなんてない」と考えてみたり、その逆を考えてみたり、揺れ動く傾向も出てきます。

「世の中への疑心暗鬼」や「世界が一変したような感覚」を強く持ち、「人生は無意味であると思う」など、不安定な状態になります。

それにより、スピリチュアル(精神性)世界や宗教などにハマるきっかけになるコトもあります。

トラウマ反応は、危険な状況に〈適応〉するための防衛反応です。「どのような反応も「身を守る」ために必要なもの」です。

しかし、「安全な環境下で、症状が軽減する/症状を出せるようになる」のですから、それに対する最大限の配慮が求められるのです。

トラウマ反応が長期化すると、障害や〈不適応〉が生じる恐れが拡大します。

「危機がないところでは、極端で過剰な行動となる」とか「自己否定や無力感で、よりよい人生への動機が低い」などの傾向が見られることから、より良い方向へのアプローチが大切なのです。

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