逃げる幸福 ヒルティ

『人が幸福を口にする時、幸福はすでに逃げ去っている。 ヒルティ『幸福論』(岩波書店)』

幸せを探している人が多い世の中です。

しかし、ヒルティのこのフレーズは、なかなか辛辣です。

幸福は、まるで幸運の女神のようですね。

自己啓発セミナーがもっと盛んだった時代に、「幸運の女神の前髪をつかめ! 後ろの髪はカツラかも知れない」などと、冗談まがいのフレーズが飛び交ったのです。

ヒルティが土台とした聖書は、幸福について次のように述べています。

「一人も義人はない」
「それは、取り返しがつかない失敗をした最初の人アダムからはじまった」
「取り返しがつかない失敗に対する救済計画は創造主である神【主】によって備えられた」
「それは、メシアであるイエス・キリストが、唯一の義人として、犠牲になる」
「十字架の贖いにより死に、葬られ、三日目に復活する」
「信仰者は、創造主である神【主】の子とされる」
「復活された御子イエス・キリストと共に養子とされ、相続者となる」
「永遠の幸福に入れられる」

66巻ある聖書の中心テーマは、このような骨組みになっています。

現世の幸福も堪能できれば、なおよろしいのです。

しかし、信仰者には、永遠の幸福は、折り紙付きで約束されています。

ですから、「幸福」を連呼して、探し求めなくても、すでに、用意されているのです。

日常の中でも、私たちは、すでに、幸せに取り囲まれているのですね。

もちろん、ネガティブに感じる事もありますから、どちらに視線を向けて、何を感じるかを問われているというイメージを持っています。

カール・ヒルティ(Carl Hilty、1833年2月28日 – 1909年10月12日)は、スイスの法学者、哲学者、政治家で著名な文筆家としても知られる。日本では『幸福論』、『眠られぬ夜のために』の著者として有名。
敬虔なキリスト教徒として、神、人間、生、死、愛などの主題を用いて、現代の預言者とも評されるほどの思想書を書き残した。また、そのようなテーマに深く踏み込んでいながらも、彼の著作には、非現実的な、空想的要素は含まれないという特徴がある。(中略)
ヒルティについて最もよく知られている業績は、『幸福論』、『眠られぬ夜のために』などに代表される宗教的倫理的著作である。その他、法律家、政治家として著した著作も、すべて一貫したキリスト教信仰の精神に基づいている。ヒルティのキリスト教思想の特徴として、聖書の言葉を大変重んじていることが挙げられる。彼が最も愛読して感化を受けた書物は聖書であった。彼の著作の中では、聖書の語句を大変頻繁に引用しており、それを通して、キリスト教信仰者としてのあり方や、神への揺るぎない信頼と愛による忍耐を自身の経験を通じて述べている。聖書内でしばしば引用される書籍として、各福音書、詩篇、イザヤ書等の預言書などが挙げられる。聖書では、福音書内のキリストの御言葉を最重要視し、その他の書は添え物にすぎないとも言っている。ただし、これは聖書内のその他の書物を軽視するものではない。
聖書以外でもヒルティがしばしば引用する著作として、ストア哲学のエピクテトスやマルクス・アウレリウス、詩人のダンテなどがある。

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