コリントにて02 パウロ 使徒の働き18:5-11
『18:5 シラスとテモテがマケドニアから下って来ると、パウロはみことばを語ることに専念し、イエスがキリストであることをユダヤ人たちに証しした。
18:6 しかし、彼らが反抗して口汚くののしったので、パウロは衣のちりを振り払って言った。「あなたがたの血は、あなたがたの頭上に降りかかれ。私には責任がない。今から私は異邦人のところに行く。」
18:7 そして、そこを去って、ティティオ・ユストという名の、神を敬う人の家に行った。その家は会堂の隣にあった。
18:8 会堂司クリスポは、家族全員とともに主を信じた。また、多くのコリント人も聞いて信じ、バプテスマを受けた。
18:9 ある夜、主は幻によってパウロに言われた。「恐れないで、語り続けなさい。黙ってはいけない。
18:10 わたしがあなたとともにいるので、あなたを襲って危害を加える者はいない。この町には、わたしの民がたくさんいるのだから。」
18:11 そこで、パウロは一年六か月の間腰を据えて、彼らの間で神のことばを教え続けた。 使徒の働き18:5-11新改訳2017』
シラスとテモテとの合流は、パウロに大きな励ましをもたらしました。「弱さの中に働く神の摂理」と「勤勉さの中に働く神の摂理」をパウロは味わっていたのです。
シラスは、ピリピ教会からの献金を持って、コリントに到着しました(ピリ4:15)。
テモテは、テサロニケから良いニュース(1テサ3:6~8)携えてコリントに到着しました。
また、携挙と再臨に関する質問(1テサ4:13~5:11)もあり、これに答えて、パウロは、テサロニケ人への手紙第一を書いたのです。さらに、コリントにいる間にテサロニケ人への手紙第二も書きました。
シラスとテモテが合流したので、パウロは伝道に専念することができました(2コリ11:9)。この伝道は、会堂を中心としたユダヤ人伝道で、メッセージの内容は、「イエスがヘブル語聖書で預言されているメシアである」ということです。パウロのメッセージの背景には、ダマスコ途上での体験があります。
しかし、このメッセージは、ユダヤ人にとってはつまずき(1コリ1:23)となりました。
パウロは、これまでにも増して力強く語り始めました。ユダヤ人たちは、パウロのメッセージに組織的な反抗の意志を示し、イエスの御名をののしったのです(冒涜した)。別の表現をすれば、イエスについて正しくないことを言ったのです(1コリ12:3)。これは、ピシデヤのアンテオケとテサロニケで起ったことの再現となりました。
ユダヤ人の組織的反抗を見てパウロは、衣のちりを振り払いました。これは、自分には責任がないということを示す象徴的行為です。サンダルについたちりを払うのと同じです(背景にエゼ3:17~19、エゼ33:2~9参照)。
これ以降、コリントにおけるパウロの伝道は異邦人が対象になりました。つまり、パウロによるコリントの町におけるユダヤ人伝道が終わったという意味です。しかし、相手の方から求めて来るなら、ユダヤ人であっても対話は行われるのです。
別の町に移動すれば、パウロの宣教の原則に基づいてユダヤ人伝道から始めるのです。
パウロは、アキラとプリスカの家からテテオ・ユストの家に転居しました。この人は、神を敬う異邦人で、信者になった人です。名前から判断すると、ローマ市民だと推察できます。その家は、会堂の隣にあり、そこで集会を開くことができるほど大きな家だったのです。そこが、パウロのコリント伝道の拠点となりました。
会堂司クリスポと家族全員が信仰を持ち救いにあずかります。会堂司とは、施設を管理し、礼拝の秩序を維持する役割を担いました。その彼がイエスを信じたことは、会堂全体にとって衝撃的なことでした。クリスポは旧約聖書に精通していたので、ユダヤ人に良き伝道をしたことでしょう。これにより、クリスポは会堂司の職を奪われることになります。その後継者が会堂司ソステネになります(18節に登場する)。
コリント伝道の初期に信じた人たちについては、ステパナの家族(1コリ16:15)、会堂司クリスポ、ガイオはファーストネームであり、テテオ・ユストと同一人物(1コリ1:14)であろう。
このように、シラスとテモテが合流する前から、パウロの伝道は実を結んでいたのです。
「ある夜」とは、伝道の拠点を会堂の隣に移す直前か、直後のことでしょう。主は幻によってパウロに語られ、その内容は「恐れないで、語り続けなさい。黙ってはいけない」でした。実際に、この時のパウロは、恐れを抱いていたのです。
恐れなくてもよい理由が2つ示されました。
「わたしがあなたとともにいるので、あなたを襲って危害を加える者はいない。」で、コリントでのパウロの身の安全は保証されました。
「この町には、わたしの民がたくさんいるのだから。」で、伝道の実が豊かに実ることが約束されました。
会堂を去ってから、伝道の成果はより素晴らしいものとなり、パウロは、一年六か月の間、コリントに住んで伝道を行い、ケンクレアにも活動を広げました(ロマ16:1)。
パウロにとって心強かったのは、シラスとテモテの同労者が伝道活動に合流したことです。また、シラスがピリピ教会からの献金をもたらしたことと、テモテがテサロニケ教会に関する良き知らせをもたらしたことでした。
幻を通じた神からパウロへの語りかけは、これで4回目です。①ダマスコ途上において(使徒の働き9:4~6)②エルサレムの神殿において(使徒の働き22:17~18)③トロアスにおいて(使徒の働き16:9)④コリントにおいて(この箇所)です。これにより、パウロは伝道の恐れから解放されたことでしょう。
神の約束のことばは、「わたしがあなたとともにいるので、あなたを襲って危害を加える者はいない。この町には、わたしの民がたくさんいるのだから。」と示されました。神がともに居られるのです。
パウロは、このコリントに信仰に入る人が多くいるとは考えなかったはずですが、、神の視点は違ったのです。この町に神が招かれた人たちがいると確信するので、伝道するというのが、より正しい理解に近いのでしょう。







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