心に伝染するモノ 宇野千代
『幸福も不幸も、ひょっとしたらその人自身が作るものではないのか。そして、その上に、人の心に忽ち伝染するものではないのか。とすると、自分にも他人にも、幸福だけを伝染させて、生きていこうと、私は思う。 宇野千代 『生きて行く私』(角川書店)』
伝染というと「病」を連想させますね。
でも、このフレーズは、幸福の伝染に関するモノです。
開口一番、「私は幸せ者だ」と言う人もいますが、少数派なのかも知れませんね。
むしろ、「自分は不幸の連続です。」と、表現する人の方が多いような印象があります。
実際は、どうなのでしょうね?
幸福と不幸は、半々だという考え方もあります。
半々だというとバランス良く聞こえますが、個人差が大きい話ですね。
幸せ者を自称する人でも、少なからず不幸の類いは体験しているように思うのです。
何をもって、幸福か不幸かを決める「ものさし」が無いことを、まず、考える必要がありますけどね。
「幸福だけ伝染させたい」と言うのであれば、自分が幸福である表現をすれば良いという考え方をしております。
世の中の圧倒的多数が、不幸だというイメージの出来事も、自分には幸福を感じるというニュアンスを表現できれば、良いのですね。
幸福に変換するアイテムがあるかのような振る舞いです。
これをムリすること無くできるマインドがあれば、可能だと言うことになります。
宇野千代さんは、自分自身で、幸福も不幸も作れるのならばという条件付けで、自分の願望を述べているのですね。
でも、この姿勢は見習いたいです。
世の中には、不幸感の連鎖よりも、幸福感の連鎖の方が、良い影響を与えると思います。
良い波動を伝染させたいですね。
彼女がこのように表現したのには、彼女なりの人生のプロセスがあったからなのでしょうか?
宇野 千代(うの ちよ、1897年〈明治30年〉11月28日 – 1996年〈平成8年〉6月10日)は、大正・昭和・平成にかけて活躍した日本の小説家、随筆家。多才で知られ、編集者、着物デザイナー、実業家の顔も持った。作家の尾崎士郎、梶井基次郎、画家の東郷青児、北原武夫など、多くの著名人との恋愛・結婚遍歴を持ち、その波乱に富んだ生涯はさまざまな作品の中で描かれている。
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