聖なる仕事 脳裏によぎるイメージは? 松下幸之助
『ぼくは、誠実にものを売って儲けさせてもらうというのは第二のことで、第一は、より必要なものを運ぶことだと思う。これは神の仕事ですわ。神さんがやる仕事や。それほど聖なる仕事ですわ。その聖なる仕事を、聖なる仕事と思っていない、みんな「松下さんこれ高いな、よそはもっと安いで」と、こう言う場合があります。そのときにぼくはね、「しょうがおまへんな」と言うて、まけなかったんです。そのとき、ぼくの目に浮かんだのは従業員の姿ですわ。 松下幸之助『社長になる人に知っておいてほしいこと』(PHP研究所)』
松下幸之助氏には、様々な評価があります。
でも、あちらこちらで見かけるフレーズは、ついつい引き寄せられるような魅力を感じます。
このフレーズもその一つです。
従業員を目に浮かべながら、顧客と交渉するという経営者が、どれぐらいいるのでしょうか?
今の時代、資金を確保するために走り回っている経営者が非常に多いと聞きます。
売上が必要なのです。そうすると、赤字でも取引してしまう傾向が多くあるようです。
製造業の経営者の嘆きは、納入先が搾り取るだけ搾り取るケースです。その様な付き合いは、会社の寿命を縮めます。
それが、「○○に潰される」という方向性です。
でも、「生かさず殺さず」というパターンもあるらしいです。ほぼ、原価で継続取引を要求されると、利益を積み増しできない袋小路に突入します。
それでも、潰されるよりはマシです。
松下幸之助氏の時代は、まだ、今日のような状況ではなかったかも知れません。
でも、彼が判断を間違えたときに、聖なる仕事を支える従業員の立場は、悪化の一途をたどっていくだろう事は、想像に難くありません。
ニーズとお金、世の中にはどちらも必要不可欠です。
でも、この優先順位を間違わないように注意したいと私は考えています。
まず、ニーズを満たしてから、利益を得るという順序ですね。
ニーズを満たすためには、性能を発揮できる材料を確保し、能力を満たす作業者によって、良い製品を作る。
そして、適正な価格で取引をして、従業員に還元する。そして、社会にも還元する。
このような流れですね。
でも、これを実行していくのが難しい世の中でもあります。
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