希望という病 寺山修司

『人類が最後にかかる、一番重い病気は「希望」という病気である。 寺山修司』

前衛的な作風で知られる寺山修司ですが、名言集も型破りです。

でも、フレーズはそれぞれに刺さってこそ印象に残るのであり、その理解に正解など無いのだろうと考えています。

そのフレーズを紡ぎ出した作者が意図したことはあっても、リリースされた刹那から、いのちを持った生命体のように、一人歩きをするようになるのですからね。

さて、「希望」についてです。

以前、どこかで述べた記憶があるのですが、希望の「希」は、希硫酸などに使われるように、「濃度がうすい」という意味があります。もちろん、「マレ(めったにない)」という意味のあります。

合わせて考えると、「望みがうすい」となりますので、過大に期待すると、目の前に表れる現実とのギャップにショックを受けることになりかねません。

また、自分の理想や願望を「夢」という表現をするケースもあります。

これもまた「夢か」「幻か」と言われるほど、現実との乖離をイメージせざるを得ないニュアンスもあります。

寺山修司は、闇雲に「希望」を持つことへの警鐘として、このような表現をしたのだろうと考えています。

ネガティブぎみに捉えると、このような話になります。

しかし、「希望」や「夢」は持ち続けるのがステキな明日のために大切な要素でもあります。

人生は、花も咲き、花も散る時があるのですから、それぞれに合わせた「希望」や「期待」、「楽しみ」を適度に持つことが、より良い人生のためには必要なのかも知れませんね。

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寺山 修司(てらやま しゅうじ、1935年〈昭和10年〉12月10日 – 1983年〈昭和58年〉5月4日)は、日本の歌人・劇作家。演劇実験室を標榜した前衛演劇グループ「天井桟敷」主宰。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BA%E5%B1%B1%E4%BF%AE%E5%8F%B8

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Posted by dblacks