サタン(悪魔)が天使長だった頃 エゼキエル28:11-19 イザヤ14:12-15

2022-05-26

エゼキエルの時代は、地中海交易で繁栄していたツロ(ティルス)が台頭していて、その権威は絶大でした。その背後には、サタンの存在がありましたので、ここで、さかのぼってサタンの起源について記されているのです。サタンは、「暁の子」「明けの明星」、英訳のKJVの流れでは「ルシファー※」と言われています。

いつの時代にも、自分が神になったかのような権力者が、入れ替わり立ち替わり出てくる世界です。人間が動かされる誘惑は「自分が神になりたい」という気持ちからなのでしょうね。

『次のような【主】のことばが私にあった。「人の子よ。ツロの王について哀歌を唱えて、彼に言え。【神】である主はこう言われる。あなたは全きものの典型であった。知恵に満ち、美の極みであった。(エゼキエル28:11-12新改訳2017)』

サタン(悪魔)は、過大評価も過小評価もしてはいけない霊的存在です。創世記1:1の以前に創造主である神によって創造されて、その起源はわかりません。

人間が勘違いしていることですが、罪や病はすべてサタンが関係しているとか、単なる「悪の原理」だと考えている人が多いです。ヨブのケースは、サタンが関与していましたが、それ以外のケースは関連していないこともあるのですね。

しかし、天使として完璧な姿に創造され、その中でも最高位のケルビムとして任命を受け、知恵と美において被造物の最高峰を与えられ、油注ぎを受けて被造物の中で最高の能力と権威を持っていました。【主】が授けた「型」に沿って活躍していました。

『あなたは神の園、エデンにいて、あらゆる宝石に取り囲まれていた。赤めのう、トパーズ、ダイヤモンド、緑柱石、縞めのう、碧玉、サファイア、トルコ石、エメラルド。あなたのタンバリンと笛は金で作られ、これらはあなたが創造された日に整えられた。(エゼキエル28:13新改訳2017)』

神の園、エデンでは、「あらゆる宝石に取り囲まれ」ていました。今日でも、宝石を見ると目が輝くのには理由がありそうです。神の園には豪華絢爛とした景色が広がっていたことでしょうね。それに引けを取らない存在だったと言うことです。地球のあらゆる所から魅力的な宝石が発掘されるのは、神の園、エデンを彩っていたものの、かけらなのかも知れませんね。

これは、アダムがいたエデンの園(植物の園)とは異なります。かつての地球は宝石に覆われていたようです。エゼキエルが「火に燃える園」と描写するほどの輝きがありました。

また、金で作られた「タンバリンと笛」は創造主である神=【主】を礼拝するために備えられていました。金メッキの楽器は、音色が柔らかくなる傾向があります。純金製の楽器の音色は想像もできません。そのような、まばゆい環境があったのですね。

『わたしは、油注がれた守護者ケルビムとしてあなたを任命した。あなたは神の聖なる山にいて、火の石の間を歩いていた。(エゼキエル28:14新改訳2017)』

天使には階級が「一般の天使、セラフィム、ケルビム」とあり、ケルビムが最高位です。サタンはこのケルビムの長だったのです。天使と言えば「ミカエル」という名前を耳にした事があると思いますが、これは、一般の天使の長の称号です。

「暁の子」としてサタンは、能力と権威でも、ナンバーワンの位置にありました。

天使であるケルビムは、最も【主】の近くに仕え、御座を下から支えています。幕屋(後の神殿)の至聖所に置かれている契約の箱の贖いの蓋にもケルビムが配置されています。

『あなたの行いは、あなたが創造された日から、あなたに不正が見出されるまでは、完全だった。(エゼキエル28:15新改訳2017)』

【主】の御心を知り、それを遂行してきたケルビムの長は別の一面も持ち合わせていました。

不正発覚です。でも、それまでは、知恵に満ち、美の極みで、完璧に役割を果たしていました。

『あなたの商いが繁盛すると、あなたのうちに暴虐が満ち、こうしてあなたは罪ある者となった。そこで、わたしはあなたを汚れたものとして神の山から追い出した。守護者ケルビムよ。わたしは火の石の間からあなたを消え失せさせた。あなたの心は自分の美しさに高ぶり、まばゆい輝きのために自分の知恵を腐らせた。そこで、わたしはあなたを地に放り出し、王たちの前で見せ物とした。あなたは不正な商いで不義を重ね、あなたの聖所を汚した。わたしはあなたのうちから火を出し、あなたを焼き尽くした。こうして、すべての者が見ている前で、わたしはあなたを地上の灰とした。国々の民のうちであなたを知る者はみな、あなたのことで唖然とした。あなたは恐怖をもたらすものとなり、とこしえに消え失せる。」(エゼキエル28:16-19新改訳2017)』

「商いが繁盛すると」という表現は、ヘブル語では「天使から天使へ、あるいは、場所から場所へ動き回る」という意味があります。

「あなたは罪ある者となった」は、サタンが罪の源であると表現されているように受け取れます。内面の変化、内なる罪が表面化し、行動へと表れたのです。

そして、サタンは自分の美しさに高ぶって(高慢の罪)、神を中傷しその上に自分の位を置き、天使の三分の一を取り込んで、暴虐を働いたのです。創造主である神に対するクーデターですね。

その結果、サタンはケルビムの長としての役割は解任され、追放されました。

『明けの明星、暁の子よ。どうしておまえは天から落ちたのか。国々を打ち破った者よ。どうしておまえは地に切り倒されたのか。おまえは心の中で言った。『私は天に上ろう。神の星々のはるか上に私の王座を上げ、北の果てにある会合の山で座に着こう。密雲の頂に上り、いと高き方のようになろう。』だが、おまえはよみに落とされ、穴の底に落とされる。(イザヤ14:12-15新改訳2017)』

『"How you are fallen from heaven,O Lucifer, son of the morning!How you are cut down to the ground,You who weakened the nations!(イザヤ14:12New king james version)』

※「明けの明星、暁の子」が堕落前のサタンの呼び名ですが、ラテン語では「ルシファー(暁の子)」と発音されます。英訳のKJVの流れではラテン語の「ルシファー」を置いていますが、預言者イザヤは、ラテン語を知らないので、「ルシファー」は聖書の名称ではありません。ヘブル語では、「暁の子」であったサタンが「輝いているものである」ことを強調しています。サタンは、今も「光の天使を装う」ことがあります。

「暁の子(後のサタン)」が狙っていたこと
・メシアに用意された神の王座に座りたいと思った。
・すべての天使の頂点に立ちたいと思った。
・メシア的王国の王座も狙っていた。
・栄光の位置の主人公になろうとし、天地の所有者になりたかった。
※それらが、「高慢の罪」で、そのようになろうとして行動していました。

それに、追従した三分の一の天使は、堕とされて悪霊とされたのです。

ツロの君主も、現代の人間も、「神のようになる」という誘惑があり、それに応答することが罪になるのです。「支配欲」と「僕のように仕える」という違いは、サタンとメシアであるイエス・キリストの差ですね。

これが、「暁の子」からサタンになったストーリーです。

天使には救いはありません。堕天使となれば、穴の底に落とされるまで悪霊として浮遊するしか為す術はありません。しかし、人間には、救いが備えられていたのです。それが、聖書を通じて示されていることです。

※ハーベストタイムミニストリーズ「天使論、サタン論、悪霊論」をご参照ください。

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Posted by dblacks