人生に大切な「基地」について

人間には、3つの基地が必要だと、米澤好史氏は指摘しています。

その一つ目は、恐怖や不安、怒り、悲しみなどのネガティブな感情を持ったとき、「特定の人」に守ってもらえるという認知・行動の「安全基地」です。

2つ目は、「特定の人」と一緒にいる時「落ち着く」「ホッとする」「なんだかちょっと良い気持ちになる」などのポジティブな感情を生じさせる感情の「安心基地」です。

そして、3つ目は、「特定の人」から離れ、行動し、その後また「特定の人」のところに帰ってくるという一連の行動ができること。自身の体験を「特定の人」と共有し、受容してもらえることでポジティブな感情は増加し、ネガティブな感情は減少する。これは、「探索基地」です。安心・安全な土台が前提としてあって、好奇心を発揮して探検に出かけられるような位置づけです。

これらから、精神的な自立への道が開けてくるのです。

この3つの基地は、共育によって育まれ、醸成されていくモノで、筋道はあっても、絶対正解のマニュアルは存在しないようです。

マニュアル全盛世代は、育児書を絶対的な教科書として、多くの悩みを抱えています。でも、生き物ですから千差万別で、それぞれが存在しているところに、それぞれの正解があると理解しないと、バランスがとれないのではないかと考えています。

私自身を思い返してみると、「安全基地」や「安心基地」が欠如していた環境だったと感じています。

これは、実感できなかったですね。ですから、探索基地も制限を受けて苦労をした事もあったのかなと振り返っています。

ある人に出会ってから、その人が私にとっての「特定の人」となり、もう一度、この3つの基地を再構築していったようなイメージです。

それがなかったなら、もっとチグハグな人生だったことでしょうね。本当に感謝しています。

そもそも、養育環境における主体的な保護者が、その人の人生を決定づける大切な要素を受け持っているのですね。

また、本人の意欲と「特定の人」からの認められ方のバランスも大切なようです。

さらに、危険回避の伝え方なども、気をつけないと臆病になりすぎたりもしますし、なんらかのアドバイスは必要不可欠ですよね。

相手を抱擁感でしっかりと包み込むためには、自分自身が「大丈夫」である必要があります。

「大丈夫」か否かは、感じ取られるモノなのですね。

大丈夫なら、お互いに大丈夫なおつき合いが可能です。

しかし、大丈夫ではないと判断すれば、それなりのおつき合いになります。

相手が、小さな子どもでも、それを判断する能力はあります。

「大丈夫」な自分で居られるように、セルフケアに努めたいと考えています。

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Posted by dblacks