ドクターショッピングで身体の闇を深くし、宗教ショッピングで心を病む
「ドクターショッピングという言い方はあるけど、宗教ショッピングも意外とあるんだろうか」
「この宗教をやってみて違ったから、今度はこっちを信じよう」といったものですね。
宗教社会学者 北海道大学大学院教授 櫻井義秀氏
重たい宗教を次々と遍歴される方っていらっしゃるんですよね。宗教というのは、その方の価値観を、完全に変えるくらいのパワーを持っています。自分にとっての真理や「本当の人生」を与えて欲しいという思いを根底に持っておられる方は、はたから見れば、非常に重たい宗教のところだけ狙っていっているような気はしますね。とはいえ、簡単に軽いところだけを渡り歩くような方もいますし、そこはその人のライフスタイルによると思います。(宗教2世p44 荻上チキ編著より引用)
宗教の問題は昔からあり、そのトラブルに巻き込まれた方々は、泣き寝入りをしてきたという歴史があります。
それは、文明が発達したと言われる21世紀でも続いています。
理論や理屈だけでは生きられない人間社会の逃げ場の一つとして存在している宗教が行ってきたことに功罪が問われることになっています。
元首相が、選挙演説中に暗殺されたとの設定で、宗教団体の問題がクローズアップされることになりました。
銃撃されたにも関わらず、大量出血もない現場映像が、多くの人を「?」にしている珍現象と見る人もいますが、「元首相の死亡が発表された」という事実は、多くの人に衝撃を与え。宗教団体にまで波及したというのが、冷静な見方なのかも知れませんね。
かくいう私も宗教2世です。信仰の継承に関しては別の機会に述べますが、宗教と信仰の違いは大きいです。団体や代表のための宗教は本末転倒だと私は考えています。
宗教にでもすがりたいという気持ちは理解しているつもりです。
しかし、そのニーズは多様です。そして、その真髄(真理)には、多くの人は届かずに終焉を迎えていくのを見ながら、自分の無力さも感じています。
ニーズは、「自分が理想とする○○」という御利益もあります。それを求めて、ドクターショッピングをするかのように、宗教を尋ねて回り、泥沼にハマっていく人もいます。
宗教社会学者の櫻井氏が、おっしゃっているように、「非常に重たい宗教」を渡り歩く人もいるのです。
人間は、自分の理想が実現できる「魔法の杖」が欲しいのだろうなと感じています。
でも、そのようなものは、全財産を注ぎ込んでも、大借金をしても、カナイッコありません。
吸水性抜群のスゴい吸い取り紙である宗教団体に、吸い尽くされるだけです。
占いでボロボロになる人もいますが、同じような感じですね。
宗教団体も本当の意味合いで、人間のニーズを提供できていることを望みますが、それを実現しているのは、どれくらいあるでしょうね。
もろもろ、慎重にご判断下さい。
参考資料:宗教2世p44 荻上チキ編著
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