成功とは…? エッシェンバッハ
『成功とは小人どもの名誉のことである。 エッシェンバッハ』
エッシェンバッハは、ドイツの1940年生まれ、クラシック音楽の指揮者です。母を出産時に亡くし、父はナチスの懲罰部隊に入れられ戦闘で命を落とし母の従姉妹に育てられたというバックグランドを持っています。
本人は次のように述べている。「悲惨な過去の生活のせいで口をきくこともできなくなっていたのである。ヴァリドール・エッシェンバッハはピアニストにして歌手、そして音楽教師で、夜遅くまでベートーヴェンやシューベルト、ショパン、ラフマニノフやバッハを弾いていた。私がまた口をきくことができるようになったのは、自分でも音楽を演奏したいか、と尋ねられて『はい』という言葉を発したときだった。」
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彼は、幼少体験があまりにもショッキングだったためか、言葉を発することができなかった時期がありました。
それを解消するきっかけも、音楽を演奏すると自らの意志で宣言したときだったといいます。
戦争に巻き込まれた時代は、後々までも、大きな心理的影響を与えてました。
でも、それぞれの未来を開く扉は、それほど遠いところにはないことを願いたい、彼がそうであったように。
人生は何をもって成功と言うかの定義はありません。
財をなしたとか、創業したとか、発明したとかからはじまり、それが、どれ程の人に喜ばれたかなど、成功評価のものさしは多岐にわたります。
このフレーズは、皮肉をこめたモノのように感じてしまいます。
一時的でも名誉を得たことが成功と考えている人がいるが、本当にそうでしょうか?
そのような、問いかけのように感じます。
彼は、ナチスが遺した爪痕を背負いながら、音楽業界の逆風を感じながら、実力で「大きなポスト」とされる地位を築き上げたようです。
「何でこのようなことが私の身に起こるのか?」というような貴重な体験は、やがて、自分の土台となり、エネルギーとなると言うイメージを彼の生涯から感じます。
人生の中で、無意識のうちに背負っている何かを重荷と感じて下ろすのも、それが苦にもならないと感じるほど鍛錬するのも、その人の選択です。
彼の場合、背負い続けて力強く人生を歩んだのですね。
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