相続財産「嘘」 サルトル
『嘘とは、私がつくったものではなく、階級に分かれた社会に生まれたものである。だから私は生まれながら嘘を相続している。 サルトル』
「嘘がない人」と評される人もいますが、一生に一度も嘘をつかない人は皆無ではないでしょうか?
サルトルの表現力は、ウーンと唸ってしまう独特の雰囲気を感じます。
私が嘘をつくのではない相続したのだから嘘が口をついて出てくるのだと責任回避しているかのようです。
そして、時代背景をも皮肉っているように感じます。
でも、嘘はついてしまうのですね。
聖書の中にも、「呪いは三、四代に及び恵みは千代に及ぶ(出エジプト記20:1~6)」という言い回しがあります。
また、DNAや習慣も受け継いで行く要素ですね。
私は、なるべく「嘘」をつきたくないと考えていますが、制約から真実を語れないこともありますし、ナカナカ悩ましい対応もありますね。
世の中で、真実や正論が嘘に覆われているかのようなイメージが蔓延していて、それを理解していくのを人間の成長と捉えている一面も感じます。
それは、正論や真実の刀を振り回している人がいれば、周囲から総スカンされることが多いからです。
また、人間の成長過程において、自分がした事に耐えられなくて嘘を申告するケースが多いのですが、それに対応する人が、その嘘を包み込む愛情でケアできるかどうかが大きな差になると思うのです。
何とかなる課題には、多くの場合、嘘は必要ありませんが、人生には、何ともならない課題が出てきます。これに向き合う時、「嘘」で誤魔化すのではなく、何ともならない状況を共有することが大切だと考えています。
相続したアイテムをどのように扱うのかは、相続した人の考え方によります。
そして、それを次世代に継がせた方が良いのか、継がせない方が良いのかも合わせて考える必要があるのですね。
ジャン=ポール・シャルル・エマール・サルトル(仏: Jean-Paul Charles Aymard Sartre [???p?l ?a?l ?ma?? sa?t?]、1905年6月21日 – 1980年4月15日)は、フランスの哲学者、小説家、劇作家。内縁の妻はシモーヌ・ド・ボーヴォワール。右目に強度の斜視があり、1973年にはそれまで読み書きに使っていた左目を失明した。自分の意志でノーベル賞を拒否した最初の人物である。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャン=ポール・サルトル 参照 2021年10月15日)
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