ボケもトボケも潤滑剤
「恍惚の人」という小説が登場したのは、1972年でした。
その内容に、衝撃を受けました。人間が、どのように老いていくのかについて考えるきっかけになった作品でした。
その後、1973年に森繁久彌主演で映画化され、さらに注目を集めました。
当時は、老人の認知機能が衰えていくことを隠そうとしていた雰囲気がありました。
今は、早めにその傾向を捉えて、できる限り共有し、必要な対策をした方がよいと考える時代になりました。
さらに、若年性の認知機能低下なども取り上げられるようになり、公表することにより、周囲の理解を得られるという対処策をとる人も出てきました。
最近、物覚えが良くないというのは、周囲の「違和感」が一番早いセンサーなのかも知れません。
本人が、違和感を自覚するのは、意外と傾向が強まった時のように感じています。
また、自覚した時に、「自分はこんなハズではない!大丈夫なはずだ。」と開き直り、何か別な要因に転嫁してしまいがちです。
その症状を指摘する身近な人たちと、軋轢が生じるのも当然な成り行きです。
認知機能の状態は、マダラ状態ですから、体調の変化などによって、調子が悪くなるとその傾向が強く出てくることがあります。
少しでも、自分の認知機能で不安を感じたら、周囲の人に共有してもらった方が良いのかも知れません。
そうすることによって、必要以上に深刻にならず事態が収まるのではないでしょうか?
むしろ、マダラ状態をユニークに共有できたとすると、コミュニケーションの潤滑剤となる可能性をイメージしています。いつもと違うコトが起きた時に、誰かを断罪するのでは無く、その変化を取り巻く全員で楽しむのです。
深刻な状態になれば、このようなことはできないでしょうけれど、その前の段階をどのように共有するかに工夫が求められていると感じています。
あやふやな記憶力に不安を感じたら、周囲のユーモアで、包み込んでもらいたいですね。
『恍惚の人』(こうこつのひと)は、有吉佐和子の長編小説。英語名は「The Twilight Years」。1972年に新潮社から「純文学書き下ろし特別作品」として出版され、1973年には森繁久彌主演で映画化された。たびたび舞台化されており、1990年には日本テレビで、1999年にはテレビ東京で、2006年10月には三國連太郎主演でテレビドラマが放映されている。
本作は認知症(認知症および老年学)をいち早く扱った文学作品である。1972年の年間売り上げ1位の[1]194万部のベストセラーとなり[2]、これがきっかけで痴呆・高齢者の介護問題にスポットが当てられることになった。その関心度の高さから「恍惚の人」は当時の流行語にもなった。題は『日本外史』に三好長慶が「老いて病み恍惚として人を知らず」とあるのを見てひらめいたものである。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/恍惚の人 参照 2021年11月16日)
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