人間を理解するために サント・ブーヴ

『人間を良く理解する方法は、たった一つしかない。彼らを判断するのに決して急がないことだ。 サント・ブーヴ』

人間を客観的に観察して、理解をすることが大切だと、このフレーズはいいます。

このような視点を持っているブーヴは、人間観察にも長けていたようです。しかし、幸せだったかどうかは私には評価できません。

「人間を理解すること」は、対人関係を形成する前に必要不可欠な段階だと考えています。

良好な対人関係の要素は、「なおそうとするな、わかろうとせよ」だと習ったことがあります。

人間は、変われるようで、その実、変化を嫌う性質があります。これが、その人を支える芯であり、それによって生きているのですから、極論すれば変化は、その人にとっては死を意味してしまうのかも知れません。

人間が変わること、別の表現で変容は、生まれ変わるようなスゴい事なのだと理解しています。

この変化を自分にも他人にも期待しすぎると、落胆の連続です。人間はそんなに簡単に変われないのです。

しかし、幼虫がサナギに成り、やがて蝶蝶のように羽ばたいて行くように、その時が自分にも来ることを期待したいものです。

そのためにも、決して急がないことが大切なようです。

スポーツの指導も、かなり変化しているようです。

以前は、フォームや型と言われるものがあり、それに選手をはめ込むように矯正した時代がありました。

今は、自主性を重んじ、その選手に合わせた方向性で、どうすれば結果につながるかをジックリと作り上げて行くようです。

大谷選手が活躍しているのも、このような見守りがあるのからかも知れませんね。

周囲を見渡せば、他人のアラ探しばかりでは、自分の大切なエネルギーを消耗し、疲弊してしまいかねません。

むしろ、そのエネルギーを有効活用して、周囲を観察し、自分とは違う取り組みを理解するという発想の転換をすると何かが変わるはずです。

考え方や視点の違いは、不幸ではなく、人生の楽しみを増やしてくれる可能性に溢れていますからね。

シャルル=オーギュスタン・サント=ブーヴ(Charles Augustin Sainte-Beuve, 1804年12月23日ブローニュ=シュル=メール – 1869年10月13日パリ)は19世紀フランスの文芸評論家・小説家・詩人。ロマン主義を代表する作家の一人で、近代批評の父とも言われる。
ロマン主義文学史上、小説のユゴー、バルザックと並び称され、批評というジャンルを確立したと言われる。代表作にジャンセニスムの歴史を描いた「ポール・ロワイヤル史」(Port-Royal、1840-1859刊)、「月曜閑談」など。1844年にアカデミー・フランセーズの会員になった。
『わが毒』(新潮社)

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Posted by dblacks