イスラエルに対する攻撃(地上)イスラエル、サタン、キリスト ヨハネの黙示録12:1-6

『1 また、大きなしるしが天に現れた。一人の女が太陽をまとい、月を足の下にし、頭に十二の星の冠をかぶっていた。
2 女は身ごもっていて、子を産む痛みと苦しみのために、叫び声をあげていた。
3 また、別のしるしが天に現れた。見よ、炎のように赤い大きな竜。それは、七つの頭と十本の角を持ち、その頭に七つの王冠をかぶっていた。
4 その尾は天の星の三分の一を引き寄せて、それらを地に投げ落とした。また竜は、子を産もうとしている女の前に立ち、産んだら、その子を食べてしまおうとしていた。
5 女は男の子を産んだ。この子は、鉄の杖をもってすべての国々の民を牧することになっていた。その子は神のみもとに、その御座に引き上げられた。
6 女は荒野に逃れた。そこには、千二百六十日の間、人々が彼女を養うようにと、神によって備えられた場所があった。 ヨハネの黙示録12:1-6 新改訳2017』

この項でヨハネは、サタンとイスラエルの戦いの歴史を振り返り、大患難時代に起こることを預言しています。

「しるし」とは、多くの場合、預言的内容が含まれ、神がなそうとしておられることの象徴を表しています。ここに出てくる「大いなるしるし」は、スケールではなく質的に重要なものです。

「ひとりの女」が、「赤い竜によって苦しめられる」様子が天に現れたましたが、それを象徴する出来事は地上で起こります。

「ひとりの女」について

『9 再びヨセフは別の夢を見て、それを兄たちに話した。彼は、「また夢を見ました。見ると、太陽と月と十一の星が私を伏し拝んでいました」と言った。10 ヨセフが父や兄たちに話すと、父は彼を叱って言った。「いったい何なのだ、おまえの見た夢は。私や、おまえの母さん、兄さんたちが、おまえのところに進み出て、地に伏しておまえを拝むというのか。」11 兄たちは彼をねたんだが、父はこのことを心にとどめていた。 創37:9-11 新改訳2017』

イスラエルの先祖、ヨセフは夢を見、その父、ヤコブが解き明かしている箇所です。

ここに出てくる太陽はヤコブ、月はラケル、11の星は11人の息子たちを象徴しています。ヨセフを入れて12という数字が成り立つのです。

旧約聖書では、イスラエルは「ヤハウェの妻(イザヤ54:5-6)」として描かれています。教会は「キリストの花嫁」と比喩的に表現されています。

「ひとりの女(1-2)」は、イスラエルを意味し、この女の姿は、メシア的王国でのイスラエルの栄光に満ちた姿(12の冠)を預言しています。

また、イスラエルを通じてメシアが誕生した経緯を歴史的回顧しています。イスラエルは、メシア誕生の前に数々の苦難を経験していました。アブラハム・イサク・ヤコブ・ダビデの流れからメシアであるイエス・キリストが生まれたという意味合いです。

「赤い竜(3-4)」について

「別のしるし」は、大きな赤い竜です。これは、血の色を連想させる赤が、ムダな血を流すのが大好きなサタンのイメージカラーになっています。

「七つの頭と十本の角を持ち、その頭に七つの王冠をかぶっていた」とあるのは、異邦人の時代においてサタンが支配する最後の世界帝国の姿です。

サタンは、自分の支配下にあるすべての悪霊を動員し、メシアの業を妨害します。

「天の星の三分の一」とは、堕落した天使の数であり、悪霊の数です。かつて、天使の三分の一が、サタンとともに堕落しました。

また、サタンは、メシア誕生の時に、悪霊どもを一か所に召集しました。

竜は、女が子を産むのを待っていました。その子をすぐに亡き者にするためです。メシアであるイエス・キリストが誕生した後のベツレヘムで2歳以下の男の子がすべて殺された出来事への言及です。

この竜は、当時の覇権国ローマ帝国(サタンに支配されている)であり、ヘロデ大王は、ローマ帝国の手先として動いてました。

これらから、赤い竜がサタンの象徴だということになります。

「男の子(5-6)」について

「女は男の子を産んだ」とは、イスラエルはメシアを産んだ。つまり、イスラエルの系図からメシアが誕生したことを表現しています。

「この子は、鉄の杖をもって、すべての国々の民を牧するはずである」とされているが、「治めることになっていた」(新共同訳)、「治めるべき者である」(口語訳)が、現実を表していると考えられています。

これは、詩2:9の預言の成就で、メシア的王国で実現します。

ここで、メシアの誕生からメシアの昇天まで一挙に飛んでいます。時間軸の差が、預言解釈を難しくしている一面があります。しかし、要点を適確に理解していくことが重要であるという示唆でもあります。

メシアであるイエス・キリストは、国々を統治する前に、天に引き上げらたのは、メシアの昇天のことです。

さらに、場面は大患難時代に移行します。

イスラエルが、荒野に逃げるのは、大患難時代の中間期、反キリストはイスラエルとの契約を破棄して、自分を神と宣言し、自分の像を神殿に置くようになります(2テサロニケ2:4)。

『15 それゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす忌まわしいもの』が聖なる所に立っているのを見たら──読者はよく理解せよ──16 ユダヤにいる人たちは山へ逃げなさい。 マタイ24:15-16 新改訳2017』

「山」と言われたり、「荒野」と言われる所は同じ意味で、神によって備えられた場所があります。それは、ボツラとも言われるペトラ(現在のヨルダン)です。(ミカ2:12~13参照)

その場所で、イスラエルは1260日(3年半)の間、守られます。

どのような厳しい状況下でも、創造主である神【主】の保護は用意されているのですね。

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Posted by dblacks