嫉妬とは? 阿部次郎
『嫉妬とはなんであるか? それは他人の価値に対する憎悪を伴う羨望である。 阿部次郎』
自分にないモノを他人が持っているとついつい羨ましくなります。
所有物よりも、その人の存在価値が周囲に認められていて、それに比較して自分が情けないと感じる時に、最も強く嫉妬心を抱いてしまいますね。
「あの人はスゴいなあ」という憧れの気持ちは、次には「あの人だけどうして?」という憎悪を伴った気持ちに変わることが多いようです。
自己受容の習慣ができていると、自分と他人の境界線が引けるので、「あの人はあの人、自分は自分」と冷静になれるのですが、そのように考えられる人は、まだまだ少数派なのかも知れません。
自分が満たされない気持ちを埋め合わせるために、多くの場合、他人を下げて評価することで、バランスがとれたことにして、あくまでも自分の中だけで帳尻を合わそうとするのです。
インターネットの掲示板やSNSで起き続けている事実無根の中傷誹謗の根っこには、このような心理もあるのかも知れないと考えています。
大切なのは、自分も他人も正当な評価をすることです。これは、非常に難しいコトです。
まるでどこかの誰かに煽られて、歪んだ競争社会を生きる間に、「正当な評価」というスケールが壊れていっているように私の目からは見えています。
人の基本的評価は「存在そのものbeing」であり、行為(doing)においては「出来高評価」もあるので、余計に混乱するのです。
一番大切にしたい土台の部分は、「存在そのものbeing」です。ここに、自分自身が大丈夫だと確信できていないと、たまたまの結果次第で、自分も周囲も振り回してしまうことになるからです。
嫉妬に心を乗っ取られないために大切なコトですね。
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