人生の支配者とは? モンテーニュ

『運命は我々に幸福も不幸も与えない。ただその素材と種子を提供するだけだ。それをそれよりも強い我々の心が好きなように変えたり、用いたりする。われわれの心がそれを幸福にも不幸にもする唯一の原因であり、支配者なのである。 モンテーニュ【人生を励ます言葉(講談社)】』

人生の主体性をテーマにつくられたフレーズですね。

抗えないような人生の壁を前にすると、これは運命なのか? と考えたくなります。

自分の生い立ちや環境を考えると、どうしても自分では変えられない要素ばかりをイメージしてしまい、塞ぎ込んでしまうこともあります。

本当のところはどうなのでしょうか?

このフレーズによると、「運命は幸福も不幸も与えない」と指摘しています。どうしても、自分が捕らわれている状況で、幸・不幸が決まるように考えがちですが、そうではないと言うのですね。

また、運命は「素材と種子を提供する」とも記されてあります。

さらに、「それをそれよりも強い我々の心が好きなように変えたり、用いたり」と続きます。

つまり、一人一人に必要な素材や種子が用意されていて、それをどのように用いるかによって、変えられる可能性があると言うことなのですね。

一人一人は、誰かの支配下にあってコントロールされているのではなく、一人一人の心が支配者であるという結論なのです。

ですから、自分を「幸福にも不幸にもする」のは、他人ではなく、自分自身なのだと言うことなのですね。

この自由意志と自由な立場をフル活用して、幸福感を味わいたいですね。

何かと、民を管理して、痛みつけるような権力者がくり返しくり返し出てくる世の中ですから、自分自身の支配者は自分であることを肝に銘じておきたいですね。

ミシェル・エケム・ド・モンテーニュ(Michel Eyquem de Montaigne [miʃɛl ekɛm də mɔ̃tɛɲ], 1533年2月28日 – 1592年9月13日[1])は、16世紀ルネサンス期のフランスを代表する哲学者[2]。モラリスト、懐疑論者、人文主義者。現実の人間を洞察し人間の生き方を探求して綴り続けた主著『エセー』は、フランスのみならず、ヨーロッパの各国に影響を与えた。
主著『エセー』(随想録)Essaisを1580年に刊行した(初版、2巻本)。
(中略)
1580年から1581年にかけてモンテーニュはフランス、ドイツ、オーストリア、スイスを経てイタリアに旅した。この際のさまざまなエピソードや都市ごとの宗教的な違いを詳細に記した原稿がモンテーニュの死後に見つかり、1774年に『旅日記Journal de voyage』 という題名で出版された。
1581年、イタリアに滞在中、ボルドーの市長に選出されたことを聞き、帰還して1585年まで(2期)務め、カトリックとプロテスタントの仲介に努めた。任期の終わり頃から、ボルドーではペストが流行し、モンテーニュもペストを避けて他所に逃れた(1586-1587年)。
モンテーニュは、アンリ4世即位後の1590年、顧問になるよう要請されたが、辞退した。1592年に死去するまで『エセー』の加筆と改訂を続けた。

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Posted by dblacks