私の支配者とは? モンテーニュ
『運命は我々に幸福も不幸も与えない。ただその素材と種子を提供するだけだ。それをそれよりも強い我々の心が好きなように変えたり、用いたりする。われわれの心がそれを幸福にも不幸にもする唯一の原因であり、支配者なのである。 モンテーニュ『人生を励ます言葉』(講談社)』
自分自身の「幸福」や「不幸」を決定するのは誰なのか?
そして、どのような要素なのか?
これは、多くの人を悩ませています。
この問いに対して、冒頭のフレーズは、示唆を与えていると感じます。
それは、まず、自分では動かしがたい要素についてです。
運命は、幸福にも不幸にも介入できないという言及からはじまります。
人間が、この世に生み出されるとき、真っ裸で、何も持たずにやってきます。
その環境や財政状況なども、影響がないわけではないでしょうけれど、それが、結論づけると考えるのは、早計なのでしょうね。人生は、結構長いのですからね。
経済状態が幸福の最大要因ならば、お金持ちは幸福だと言う事になります。
でも、お金持ちは、それなりの不幸も味わっているようです。
それを実感したかったら、お金持ちになるのが近道かも知れませんね。
冗談はさておき、自分の現実に目を向けて、それを受け入れ、自分にできる努力をしていくのが、一番、堅実な人生の歩みだと考えています。
「お金があればあるなりに、なければないなりに知恵をしぼれば良い」と聞いたことがあります。
本当に、その通り、ない袖は振れないのですからね。
それよりも、「我々の心が好きなように変えたり、用いたりする」という作用があるとモンテーニュは続けています。
そして「われわれの心がそれを幸福にも不幸にもする唯一の原因」だと言及しています。
その理由は、心こそ「支配者」だからというのです。
つまり、自分の心には、「幸福」か「不幸」かの決定権があるというコトですね。
何をもって、自分が「幸福」かは、それぞれで、決められるのですから、人生の中で幸せ探しをしていきたいと考えています。
ミシェル・エケム・ド・モンテーニュ(Michel Eyquem de Montaigne [miʃɛl ekɛm də mɔ̃tɛɲ], 1533年2月28日 – 1592年9月13日[1])は、16世紀ルネサンス期のフランスを代表する哲学者[2]。モラリスト、懐疑論者、人文主義者。現実の人間を洞察し人間の生き方を探求して綴り続けた主著『エセー』は、フランスのみならず、ヨーロッパの各国に影響を与えた。
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