記憶の彼方は美しい 川端康成
『忘れるにまかせるということが、結局最も美しく思い出すということなんだ。 川端康成』
「物忘れ」に共感できる人が増えてきたように感じています。
高齢化社会を迎えて、忘れると言うことに、色々なリスクを懸念する声もあります。
特に気をつけなければならないのは、火の消し忘れです。温度センサーなどが発達して、安全装置も普及していますが、鍋をかけたままの状態で、火をつけっぱなしなんてこともあるようですから、注意が必要ですね。
加齢による物忘れや一時的な精神状態によるものなど、要因は様々です。
「忘れていた」と自覚できるならば、まだマシです。
忘れたということも思い出さないならば、忘れたことさえも無いことになります。
ついつい不安に囲まれて生活していると、忘れたことに恐怖を覚えたり、その様な状態の自分や他人にプレッシャーをかけたりしがちです。
でも、このフレーズは、そんなことからも解放してくれそうです。
「忘れるにまかせる」というのは、自然体をイメージできます。
「最も美しく思い出す」というニュアンスも、強制されない自由を連想できます。
忘れることの不安恐怖に苛まれることがあり、時には忘れることが解放に繋がるということもあり、時と場合によって器用に使い分けできない要素が、新たな葛藤を抱かせることもあります。
人間の記憶は、コントロールできる部分とできない部分があります。
身体に関連したことや感情や心情とのインパクトが強い出来事は、忘れられない部類ですね。
一方、忘れたら困るのは自分だけならまだしも、約束事は先方にも影響を与えます。
火を消し忘れたことによる火災などのリスクもあります。
確認やメモを活用したい所ですが、メモを取っても、そのメモがどこに?なんて笑い話もあります。
自分にとって美しい記憶は、認知状態が調子悪くても、残っているケースが多いようですから、自然に思い出せる記憶にこそ美しい景色が広がっていることでしょうね。
川端 康成(かわばた やすなり、1899年(明治32年)6月14日 - 1972年(昭和47年)4月16日)は、日本の小説家・文芸評論家。大正から昭和の戦前・戦後にかけて活躍した近現代日本文学の頂点に立つ作家の一人である。1968年に日本人初のノーベル文学賞を受賞。代表作は、『伊豆の踊子』『抒情歌』『禽獣』『雪国』『千羽鶴』『山の音』『眠れる美女』『古都』など。
多くの名誉ある文学賞を受賞し、日本ペンクラブや国際ペンクラブ大会で尽力したが、多忙の中、1972年(昭和47年)4月16日夜、72歳でガス自殺した。なお、遺書はなかった[1][2]。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/川端康成 参照 2021年11月16日)
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